ホームIMICライブラリMMWR抄訳2022年(Vol.71)50歳以上の成人におけるCOVID-19 mRNA・・・
2022/07/29Vol. 71 / No. 30
MMWR71(30):971-976
Safety Monitoring of COVID-19 mRNA Vaccine Second Booster Doses Among Adults Aged ≥50 Years — United States, March 29, 2022–July 10, 2022
Advisory Committee on Immunization Practicesは5歳以上のすべての人に対し、COVID-19ワクチンのプライマリ接種シリーズ完了後にブースター接種を1回受けることを推奨している。2022年3月29日、FDAは50歳以上の成人と12歳以上の中等度~重度の免疫不全者に対し、1回目のmRNAワクチンブースター接種から4カ月以上経過後における2回目のブースター接種を承認した。今回、50歳以上の人における2回目のmRNAワクチンブースター接種の安全性について明らかにするために、2022年3月29日~7月10日における2回目のmRNAワクチンブースター接種後に、v-safeとVaccine Adverse Event Reporting に報告された有害事象および健康への影響の評価について、CDCが調査した。v-safeは、COVID-19ワクチン接種後に生じた有害事象を監視するスマートフォンベースのアメリカにおける能動的サーベイランスシステムであり、VAERSは、ワクチン接種後の有害事象をモニタリングするアメリカの受動的サーベイランスであり、CDCおよびFDAにより管理されている。2022年3月29日~7月10日、v-safeに登録している50歳以上の成人286,380名が2回目のmRNAワクチンブースター接種を受け、年齢中央値は67歳、173,525名(60.6%)が女性であった。接種ワクチンはBNT162b2(Pfizer社-BioNTech社製)ワクチンが148,921名、mRNA-1273(Moderna社製)ワクチンが137,459名であり、2回目ブースター接種後1週間以内の注射部位局所反応はそれぞれ67,521名(49.1%)、92,472名(62.1%)、全身反応はそれぞれ60,705名(44.2%)、76,756名(51.5%)報告された。局所反応、全身反応ともにほとんどが軽度~中等度であり、接種後翌日での報告がもっとも多かった。接種後1週間内で、日常生活が送れなかったのはそれぞれ14,682名(10.7%)、22,385名(15.0%)、仕事または学校へ行けなかったのはそれぞれ4,300名(3.1%)、5,927名(4.0%)、医療機関の受診率はそれぞれ0.8%、0.7%であった。全体で81名が入院し(0.03%)、そのうち39名(48.1%)はワクチン接種と無関係であった。同じ種類のワクチンを接種したv-safe登録者248,887名(86.9%)における局所反応は、それ以前のすべての接種後に比べ2回目のブースター接種にて有意に少なく、全身反応は2回目接種および1回目のブースター接種に比べ低2回目のブースター接種にて有意に少なかった。同調査期間にVAERSには計8,515件の有害事象が報告され、年齢中央値は68歳、5,357件(62.9%)が女性、8,073件(94.8%)が非重篤であった。ワクチン接種間違い(有効期限切れ、保管ミスなど)は2,894件(35.8%)、COVID-19罹患が2,111件(26.1%)、ワクチンおよびCOVID-19に関連することがわかっている局所反応または全身反応として疲労(1,236件、15.3%)、頭痛(1,047件、13.0%)、発熱(975件、12.1%)などが報告された。2回目のブースター接種後に心筋炎は12件報告され(重篤は6件)、そのうち1件はCDCの心筋炎症例基準を満たしたが、報告時点で回復していた。報告された重篤な有害事象442件(5.2%)のうち、死亡は52件であり(死亡時年齢中央値84歳)、COVID-19は84件(19.0%)であった。死亡診断書に記載された死因が明らかな6件における死因は、うっ血性心不全、大動脈解離、大発作痙攣、認知症終末期、冠動脈疾患に続発した心停止などであった。
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