ホームIMICライブラリMMWR抄訳2022年(Vol.71)免疫不全状態と推定される12歳以上の人におけるCO・・・
2022/07/15Vol. 71 / No. 28
MMWR71(28):899-903
Safety Monitoring of COVID-19 mRNA Vaccine First Booster Doses Among Persons Aged ≥12 Years with Presumed Immunocompromise Status — United States, January 12, 2022–March 28, 2022
中等度~重度の免疫不全者はCOVID-19重症化リスクが高く、ワクチンに対する免疫反応は免疫不全のない人ほど強くない可能性がある。Advisory Committee on Immunization Practicesは12歳以上の免疫不全者に対し、COVID-19 mRNAワクチンのプライマリ接種シリーズ(3回接種)完了から3カ月以上の間隔をあけて初回ブースター接種(4回目接種)、さらに初回ブースター接種から4カ月以上あけて2回目ブースター接種(5回目接種)を受けることを推奨している。今回、12歳以上の免疫不全患者に対する初回ブースター接種(4回目接種)の安全性を明らかにするため、CDCは2022年1月12日~2022年3月28日にCOVID-19 mRNAワクチンの4回目接種後1週間にv-safe(COVID-19ワクチン接種後の有害事象に関するスマートフォンベースの自発的な安全性サーベイランスシステム)またはVAERS(CDCおよびFDAが共同管理するすべてのワクチンに関連した有害事象報告システム)に報告された有害反応および健康影響評価を分析した。v-safeには2022年1月12日~3月28日に4回目接種を受けた免疫不全者4,015名が登録された。接種したワクチンはmRNA-1273(Moderna社製)ワクチンが2,194名(54.6%)、BNT162b2(Pfizer社-BioNTech社製)ワクチンが1,821名(45.4%)であり、年齢中央値は62歳(12~94歳)、女性は2,489名(62.0%)であった。接種後1週間にて注射部位局所反応、全身性反応はModerna社製ワクチン接種者にてそれぞれ1,605名(73.2%)、1,470名(67.0%)、Pfizer社-BioNTech社製ワクチン接種者ではそれぞれ1,209名(66.4%)、1,155名(63.4%)報告された。どちらのワクチンでも4回目接種後に認められた有害反応は注射部位痛、疲労、頭痛、筋肉痛が多く、注射部位局所反応は3回目接種後(81.7%)に比べ、4回目接種後(70.1%)にて有意に少なく、全身性反応も3回目接種後(76.8%)に比べ、4回目接種後(65.4%)にて有意に少なかった。全体の23.4%が4回目接種後1週間に通常の日常生活ができなかったが(Moderna社製ワクチン24.7%、Pfizer社-BioNTech社製ワクチン21.7%)、3回目接種後(34.5%)に比べ有意に少なく、職場や学校に行けないとの報告も3回目接種後(13.8%)に比べ、4回目接種後(9.2%)にて有意に少なかった。医療機関受診は3回目接種後(1.9%)4回目接種後(1.8%)で同等であった。VAERSには4回目接種を受けた免疫不全患者から同期間に145件の報告があり、そのうち105件は女性、年齢中央値は62歳であった。ほとんどの報告が非重篤であり(128件、88.3%)、頭痛(30件、23.4%)、疲労(26件、20.3%)、疼痛(22件、17.2%)などが多かった。重篤反応は17件報告され(11.7%)、呼吸不全を発症し死亡した肺線維症患者1例は追跡調査が行われている。以上、COVID-19 mRNAワクチンの初回ブースター接種後には局所および全身反応が起こり得ることを医療従事者、免疫不全者、免疫不全小児の親は注意すべきであるが、重篤な副反応はまれであり、安全性に関する所見は非免疫不全患者のこれまでの報告とほぼ一致していた。
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