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MMWR抄訳

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2022/04/29Vol. 71 / No. 17

MMWR71(17):606-608
Seroprevalence of Infection-Induced SARS-CoV-2 Antibodies — United States, September 2021–February 2022

感染により誘発されたSARS-CoV-2抗体の血清陽性率 ― アメリカ、2021年9月~2022年2月

2021年12月に、COVID-19の原因ウイルスであるSARS-CoV-2のB.1.1.529(オミクロン)変異株がアメリカで優勢になった。その後、全国的なCOVID-19の症例率は、史上最高レベルでピークに達した。無症候性、未診断、報告されていない症例もあるため、従来の疾患サーベイランスの方法では、すべてのCOVID-19症例を捕らえられない。そのため、SARS-CoV-2抗体を持つ集団の割合(血清陽性率など)により、集団レベルでのCOVID-19罹患率の理解を深めることができる。今回の報告では、CDCによる全国の民間試験所の血清陽性率調査のデータと2018年のAmerican Community Surveyのデータを使用して、2021年9月から2022年2月までの感染により誘発されたSARS-CoV-2血清陽性率のアメリカの傾向を年齢層別に検討した。血清検査では、感染に反応して産生されるが、アメリカにてFDAによって緊急使用が認可または承認されているCOVID-19ワクチンへの反応では産生されない抗ヌクレオカプシド(抗N)抗体について検査される。2021年9月~12月、全体の血清陽性率は4週間ごとに0.9~1.9ポイント増加し、2021年12月~2022年2月、アメリカ全体の血清陽性率は33.5%から57.7%に増加した。同期間の小児の血清陽性率は、0~11歳では44.2%から75.2%に、12~17歳では45.6%から74.2%に増加し、成人の血清陽性率は、18~49歳では36.5%から63.7%、50~64歳では28.8%から49.8%、65歳以上では19.1%から33.2%に増加した。今回の報告結果は、特に小児におけるオミクロン変異株の高い感染率を示している。抗N抗体に対する血清陽性は、将来の感染からの防護と解釈すべきではなく、ワクチン接種は依然として、小児および大人における入院などのSARS-CoV-2感染による合併症を防ぐために最も安全な戦略である。感染後のCOVID-19ワクチン接種は、重症化や入院に対するさらなる防護をもたらす。以前にSARS-CoV-2に感染した人を含むすべての接種対象者に対し、ワクチン接種状態を最新にしておくことを推奨する。

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