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MMWR抄訳

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2022/03/25Vol. 71 / No. 12

MMWR71(12):441-446
Tuberculosis — United States, 2021

結核 ― アメリカ、2021年

アメリカにおける結核(TB)の罹患率は1993年~2019年には徐々に減少していたが、2020年には大幅な減少(19.9%)が認められた。2021年、CDCのNational Tuberculosis Surveillance Systemに暫定的に報告されたアメリカ50州およびワシントンDCのTB症例数は計7,860例であり、2020年の7,173例より687例増加したが、2019年の8,900例より1,040例減少していた。人口10万人あたりのTB罹患率は2020年の2.16から2021年には2.37と9.4%上昇したが、2019年の2.71より12.6%低いままであった。州別のTBの症例数はカリフォルニア州にてもっとも多く(1,750例)、罹患率はアラスカ州にてもっとも高かった(7.92)。また、2021年のTB症例数は50州のうち18州およびワシントンDCでは2020年に比べて同数または減少し、32州では増加していた。2021年のTB症例の71%がアメリカ以外の生まれであり、2019年および2020年と同様であった。アメリカ生まれの人における罹患率(10万人あたりの症例)は2020年の0.71から2021年には0.79に増加し、アメリカ以外の生まれの人の罹患率も2020年の11.71から2021年に12.16に増加した。アメリカ生まれのTB症例の人種/民族はアメリカインディアン/アラスカ先住民(AI/AN)が4%、アジア系が6%、黒人が33%、ヒスパニック系が25%、ハワイ先住民/太平洋諸島民(NH/OPI)が2%、白人が29%、多民族が1%であった。2020年から2021年にかけてアメリカ生まれのTB症例における罹患率は黒人およびNH/OPIにて減少し(それぞれ0.4%、5.7%)、他の人種/民族では増加した(AI/AN:5.0%、アジア系:32.6%、ヒスパニック系:16.3%、白人:13.8%)。アメリカ以外の生まれのTB症例では、AI/ANが1%未満、アジア系が48%、黒人が12%、ヒスパニック系が34%、NH/OPIが1%、白人が4%、多民族が1%であり、2020年から2021年にかけて罹患率は黒人およびNH/OPIにて減少(それぞれ8.7%、40.3%)、他の人種/民族では増加した。年齢別の罹患率は2020年に比べ2021年では4歳以下、5~14歳、15~24歳にて減少(それぞれ2.2%、0.3%、2.9%)、25~44歳、45~64歳、65歳以上では増加した(それぞれ5.3%、10.6%、13.2%)。2021年、アメリカ以外の生まれのTB症例のうち、アメリカ入国後1年未満で診断されたのは9.3%(507/5,456例)であり、2020年の9.7%(499/5,149例)、2015年~2019年の平均値15.6%(996/6,377例)に比べ、少なかった。また、アメリカ以外の生まれのTB症例の約1/3(1,811例、33.2%)は診断を受けるまでにアメリカに20年以上住んでおり、2020年と同等で(1,662例、33.2%)、2015年~2019年平均値(1,766例、28%)よりわずかに増加した。TB症例のうち、喀痰塗抹顕微鏡検査にて抗酸菌が検出されたTB症例の割合は2021年が48.1%であり、2020年の46.4%、2015年~2019年の平均値44.3%に比べ高かった。2020年に比べて2021年のTB罹患率は増加したが、これには一部でTB診断の遅れや見逃しがあった可能性もあり、TBおよび潜伏性結核感染症のタイムリーな診断および治療はアメリカにおける結核根絶を達成するために引き続き重要である。

References

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