ホームIMICライブラリMMWR抄訳2022年(Vol.71)SARS-CoV-2 B.1.1.529(オミクロ・・・
2022/03/04Vol. 71 / No. 9
MMWR71(9):341-346
SARS-CoV-2 B.1.1.529 (Omicron) Variant Transmission Within Households — Four U.S. Jurisdictions, November 2021–February 2022
2021年11月に初めて検出されたB.1.1.529(オミクロン)変異株は、2021年12月~2022年1月にかけて、COVID-19の原因ウイルスであるSARS-CoV-2によるアメリカでの感染急増の原因となった。今回、家庭における予防戦略の有効性を調査するために、CDCはアメリカの4つの管轄区域と提携し、2021年11月~2022年2月のオミクロン株の家庭内感染について記述した。今回の調査には、インデックス患者183例と家庭内接触者439名を含む183世帯が登録された。インデックス患者は年齢中央値が37歳、59.0%が白人、21.3%がヒスパニック/ラテン系であり、インデックス日(インデックス患者が発症あるいはSARS-CoV-2の核酸増幅検査または抗原検査の結果が陽性となった日)は、2021年11月21日から2022年2月3日であった。インデックス患者のうち、172例(94.0%)はSARS-CoV-2検査結果が陽性(COVID-19確定診断例)であり、11例(6.0%)はCOVID-19と合致する症状があったが、SARS-CoV-2検査で確認はしなかった(COVID-19高度疑い例)。家庭内接触者のうち、227例(51.7%)が症例として特定され、そのうち178例(40.5%)が確定診断例、49例(11.2%)が高度疑い例であった。残りの家庭内接触者のうち、204名(46.5%)はCOVID-19ではないと分類され、8名(1.8%)は感染状態が不明であった。インデックス患者の発症日から家庭内接触者の発症日までの期間中央値は4日であった。家庭内感染は67.8%で発生し(183世帯中124世帯)、感染状態が明らかな世帯内接触者全体における発病率(AR)は52.7%であった(431名中227名)。COVID-19ブースター接種を受けたインデックス患者の家庭内接触者、過去5カ月以内にCOVID-19プライマリー接種シリーズのワクチン接種を完了したインデックス患者の家庭内接触者、ワクチン未接種のインデックス患者の家庭内接触者のARは、それぞれ42.7%(110名中47名)、43.6%(39名中17名)、63.9%(108名中69名)であった。隔離されたインデックス患者の家庭内接触者のAR(41.2%、240名中99名)は、隔離されなかったインデックス患者の家庭内接触者(67.5%、166名中112名)と比較して有意に低かった。同様に、感染の可能性のある期間に家庭内でマスクを常に着用していたインデックス患者の家庭内接触者のAR(39.5%、223名中88名)、同期間に家庭内でマスクを全く着用しなかったインデックス患者の家庭内で(68.9%、180名中の124名)と比較して有意に低かった。最新の予防接種、感染者の隔離、自宅でのマスク着用などの複数の要素を含むCOVID-19予防戦略は、家庭環境でのオミクロン変異株感染を軽減するために重要である。
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