ホームIMICライブラリMMWR抄訳2021年(Vol.70)妊娠中のSARS-CoV-2感染後のCOVID-1・・・
2021/11/26Vol. 70 / No. 47
MMWR70(47):1646-1648
COVID-19–Associated Deaths After SARS-CoV-2 Infection During Pregnancy — Mississippi, March 1, 2020–October 6, 2021
妊娠中および最近妊娠した女性はCOVID-19重症化および死亡のリスクが高く、CDCは妊娠している女性、最近妊娠した女性、妊娠しようとしている女性、将来妊娠する可能性のある女性に対し、COVID-19ワクチンの接種を推奨している。今回、2020年3月1日~2021年10月6日、ミシシッピ州にて妊娠中にSARS-CoV-2(COVID-19の原因ウイルス)に感染後のCOVID-19関連死亡例について報告する。この期間、州保健局には妊娠中のSARS-CoV-2感染が計1,637名報告され、COVID-19関連死亡は15例発生した(SARS-CoV-2感染1,000例あたり9例)。デルタ株優勢期間前(2020年3月~2021年6月)は6例(妊娠中のSARS-CoV-2感染1,000例あたり5例、デルタ株優勢期間(2021年7月~10月)は9例(同25例)であった。死亡15例の年齢中央値は30歳(23~40歳)、非ヒスパニック系黒人9例、非ヒスパニック系白人:3例、ヒスパニック系3例であり、発症から死亡までの期間中央値はデルタ株優勢期間前と期間中ともに18日であった(デルタ株優勢期間前:1~87日、優勢期間中:9~45日)。全例、集中治療室に入院し、14例が人工呼吸器を必要とし、7例は緊急帝王切開にて出産した。3例は妊娠中に死亡し(妊娠9週目の自然流産1例、妊娠22週目および23週目の死産各2例)、12例は生児出生後に死亡した(分娩後中央値5日、1~87日)。14例に基礎疾患(肥満10例、高血圧8例、糖尿病4例、癌2例、ニューモシスチス肺炎を伴うHIV感染症1例)を認めた。ワクチン接種は、完全接種者なし、部分接種が1例、未接種が14例であった。同期間における再生産年齢女性のCOVID-19関連死亡は413名報告された(SARS-CoV-2感染1,000例あたり2.5例)。妊娠中の女性ではデルタ株優勢期間にCOVID-19関連死亡率が増加した傾向にあったが(デルタ株優勢期間前:SARS-CoV-2感染1,000例あたり5例、優勢期間中:1,000例あたり25例)、ミシシッピ州の再生産年齢女性でも同様であった(デルタ株優勢期間前: SARS-CoV-2感染1,000例あたり2.1例、優勢期間中:1,000例あたり3.3例)。妊婦におけるワクチン接種の格差の現状から、ワクチンへのアクセス、ワクチン接種のためらい、その他ワクチン接種に対する懸念に対する取り組みのパートナーシップは、黒人やヒスパニック系を含むCOVID-19ワクチン接種への公平で公正なアクセスを向上する可能性がある。
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