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MMWR抄訳

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2021/10/29Vol. 70 / No. 43

MMWR70(43):1495-1500
Routine Vaccination Coverage — Worldwide, 2020

定期ワクチン接種率 ― 全世界、2020年

1974年、WHOは6疾患(結核、ジフテリア、破傷風、百日咳、ポリオ、麻疹)を予防するための4つのワクチン[カルメット・ゲラン桿菌ワクチン(BCG)、ジフテリア・破傷風・百日咳ワクチン、ポリオワクチン、麻疹ワクチン(MCV)]をすべての乳幼児が確実に接種できるよう、拡大予防接種プログラムを策定した。その後、生後1年までに肺炎球菌結合型ワクチン(PCV)、ロタウイルスワクチン、風疹ワクチン(RCV)、B型肝炎ワクチン(HepB)、ヘモフィラスインフルエンザ菌b型(Hib)ワクチン、小児期および思春期にMCVの2回目 (MCV2)、ヒトパピローマウイルス(HPV)などの接種が追加されている。WHOとユニセフは予防接種管理データおと調査ベースワクチン接種率データから毎年の各国の推定ワクチン接種率を算出している。今回、2020年における全世界、地域別、国別の予防接種率の推定値および傾向について前回の報告を更新する。DTP接種率は2010年から2019年にかけて横ばいで、世界全体での接種率はDTPの初回接種(DTP1)が89%から90%、DTPの3回目接種(DTP3)が84%から86%になった。2019年と比較してCOVID-19パンデミックが始まった2020年では世界中のワクチン接種率が低下し、DTP1は90%から87%、DTP3は86%から83%となった。WHO地域別接種率はDTP1が79%(アフリカ地域)~97%(ヨーロッパ地域)、DTP3は72%(アフリカ地域)~95%(西太平洋地域)であった。世界全体でDTPの3回接種シリーズを完了しなかった小児は2019年から2020年にかけて20%増加し、2,270万人となった。そのうち1,710万人(75%)が接種0回、560万人(25%)は接種開始したがシリーズ未完了であった。2019年から2020年にかけて、0回接種児はヨーロッパ地域では約30万人で横ばいであったが、アフリカ地域(710万人から770万人)、アメリカ地域(160万人から170万人)、東地中海地域(180万人から230万人)、南東アジア地域(200万人から410万人)、西太平洋地域(90万人から100万人)では増加した。2020年の0回接種児は中所得国にてもっとも多く(1,210万人、71%)、アフリカ地域と南東アジア地域の国がそれぞれ410万人(24%)、低所得国は450万人(26%)であった。また、1,370万人(80%)の0回接種児はGavi[一人当たり国民総所得(GNI)が3年平均で1,580米ドル/年以下の国における予防接種の利用促進を目的とした公共および民間団体が参加するワクチンアライアンス]対象国に居住しており、約2/3(1,100万人、65%)はアンゴラ、ブラジル、コンゴ民主共和国、エチオピア、インド、インドネシア、メキシコ、ナイジェリア、パキスタン、フィリピンの10カ国に居住していた。2010年から2019年にかけて世界全体のMCV初回(MCV1)接種率は84%~86%と横ばいであり、MCV2接種率は42%から71%に増加した。2019年から2020年にかけて世界全体のMCV1接種率は84%と2014年の数値にまで減少し、MCV2接種率は2019年が71%、2020年が70%と横ばいであった。2020年の地域別のMCV1接種率は68%(アフリカ地域)~96%(西太平洋地域)、MCV2接種率は36%(アフリカ地域)~94%(西太平洋地域)であった。2019年から2020年の全世界のワクチン接種率は、Hibワクチンシリーズ完了が72%から70%、RCVワクチンが71%から70%、HepBワクチンの3回接種シリーズが85%から83%、出生時接種は42%で横ばい、HPVワクチンが15%から13%に低下し、PCVワクチンシリーズは49%で横ばい、ロタウイルスワクチンは39%から46%に増加した。COVID-19に関連した混乱から完全に回復するには、ワクチン未接種小児の確認とキャッチアップ接種、接種を逸したワクチン接種への介入の導入、接種率のモニター、プログラムの後退への対応などの目標を定めて状況に特化した戦略が求められるであろう。

References

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