ホームIMICライブラリMMWR抄訳2021年(Vol.70)ユースサマーキャンプでのCOVID-19アウトブレ・・・
2021/10/08Vol. 70 / No. 40
MMWR70(40):1425-1426
COVID-19 Outbreaks at Youth Summer Camps — Louisiana, June–July 2021
CDCによって報告されたシーケンシングデータによると、COVID-19の原因ウイルスであるSARS-CoV-2の感染力の強いB.1.617.2(デルタ)変異株は、2021年6月20日の週以降、ルイジアナ州で流行している優勢系統となった。ルイジアナ州では、デルタ変異株の蔓延の増加は、これまでの1日あたりの平均COVID-19罹患率が州で4番目、かつ最大の増加の開始と一致していた。今回、デルタ変異株が優勢系統となった2021年6月~7月に、ルイジアナ州でのユースサマーキャンプで発生したCOVID-19のアウトブレイクについて述べる。この活動はルイジアナ州保健局(LDH)によって調査され、適用される州法とLDH方策に沿って実施された。2021年6月~7月、LDHはキャンプの報告と接触者追跡データを使用して、州全体で28件のキャンプでのアウトブレイクを特定した。これには、推定で2,988名のキャンパーおよびスタッフのうち、合計321例のCOVID-19症例が含まれた。キャンプは日帰りが14カ所、宿泊型が14カ所で、アウトブレイクの規模は平均11.5例(2~59例)であった。キャンプ関連症例321例の年齢中央値は12歳(5~54歳)、274例(85.4%)がキャンパー(5~18歳)、47例(14.6%)がスタッフ(16~54歳)に生じた。COVID-19に罹患したすべてのキャンパーのうち、2例(0.7%)がCOVID-19ワクチンを完全接種しており、133例(48.5%)は対象年齢であったが未接種 (COVID-19に感染したキャンパーで、ワクチン対象年齢に該当する135例のうち98.5%に相当)、139例(50.7%)はワクチン接種対象年齢ではなかった。スタッフで罹患した全例がCOVID-19ワクチン未接種者であった。2020年と比較して2021年にルイジアナ州のユースサマーキャンプで観察されたアウトブレイクと症例数の増加は、感染力の強いデルタ変異株の広範な流行と一致した。また、この時期は、予防接種、マスク着用、物理的な距離の確保などの予防策が、明らかに十分に活用されていなかった。対象となるすべての成人および青年へのワクチン接種、屋内でのマスク着用、定期的なスクリーニング検査、物理的な距離の確保、コホーティング、換気の増加などのマルチコンポーネント予防策は、ワクチン接種をできない若者のいる環境でのSARS-CoV-2感染を防ぐのに役立つ可能性がある。
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