ホームIMICライブラリMMWR抄訳2021年(Vol.70)学校でのマスク着用義務のある郡とない郡における小児・・・
2021/10/01Vol. 70 / No. 39
MMWR70(39):1377-1378
Pediatric COVID-19 Cases in Counties With and Without School Mask Requirements — United States, July 1–September 4, 2021
マスクを常時正しく着用することはCOVID-19の原因ウイルスであるSARS-CoV-2感染防止に重要な戦略であり、CDCは幼稚園から12年生(K-12)の学校の生徒、職員、その他の人に対し、学校が室内でのマスク着用を義務付けることを推奨している。COVID-19の地域感染の増加の最中でのアメリカの学校の2021-22学年度の始まりに際し、一部の州、郡、学区では学校内でのマスク着用の義務化を実施した。アメリカ中のK-12学校におけるCOVID-19罹患率に学校でのマスク着用が及ぼす影響を評価するため、CDCは、マスク着用義務化を行った学校と行わなかった学校における小児COVID-19発症率の差を郡別で評価した。最終解析対象は520郡であり、198郡(38%)は学校でマスク着用を義務化し、322郡(62%)は義務化しなかった。学年度開始後の18歳未満の小児COVID-19発症率は、マスク着用を義務化した郡に比べ、義務化しなかった郡にて大きく増加し、week-1(学校開始の1~7日前)からweek1(学校開始後7~13日)までの平均変化率はマスク着用義務化を行った郡では10万人あたり16.32例/日であったのに対し、義務化しなかった郡では34.85例/日であり、18.53例/日少なかった。学校開始前(week-3、-2、-1)と開始後(week0、1、2)における小児COVID-19発症率の比較では、マスク着用を義務化しなかった郡にて大きく増加し、共変量で調節後も学校でのマスク着用義務化は1日あたりの小児COVID-19発症率減少と相関していた。これらの結果から、2021-22学年度の学校開始時における小児COVID-19発症率の増加は学校でのマスク着用を義務化した郡にて少なかったことが示された。学校でのCOVID-19蔓延の低減には学校でのマスク着用義務化とCOVID-19ワクチン接種などの他の予防戦略との組み合わせが重要である。
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