ホームIMICライブラリMMWR抄訳2021年(Vol.70)K-12学校におけるマスク規定と学校関連COVID・・・
2021/10/01Vol. 70 / No. 39
MMWR70(39):1372-1373
Association Between K–12 School Mask Policies and School-Associated COVID-19 Outbreaks — Maricopa and Pima Counties, Arizona, July–August 2021
CDCはCOVID-19の原因ウイルスであるSARS-CoV-2感染を低減させるため、幼稚園児から12年生(K-12)の学校の生徒、職員、教員、訪問者に対し、ワクチン接種の有無にかかわらず、屋内でのマスク常時着用を推奨している。アリゾナ州の人口の75%超を占めるマリコパ郡とピマ郡の学校は、2021年7月下旬から8月上旬に2021-22学年度の対面授業を再開した。7月中旬における10万人あたりの7日間の症例割合はマリコパ郡にて161例、ピマ郡では105例であり、住民の1回以上のCOVID-19ワクチン接種率はマリコパ郡が47.6%、ピマ郡が59.2%であった。学校でのマスク対策とCOVID-19学校関連アウトブレイクとの関連性を評価するため、2021年7月15日~8月31日に対面授業を開始したK-12公立学校の計1,041校のうち999校(96%)を対象とし、学校再開におけるマスク対策により、マスク着用早期義務化(学校再開と同時に屋内でのマスク着用を義務化)210校、マスク着用後期義務化(学校再開から中央値15日後に義務化)309校、マスク着用義務化なし480校に分類し、分析した。2021年7月15日~8月31日に学校関連アウトブレイクは191件発生し、マスク着用早期義務化校が16件(8.4%)、マスク着用後期義務化校が62件(32.5%)、マスク着用義務化なし校が113件(59.2%)であり、マスク着用を早期義務化した学校に比べ、義務化しなかった学校でのアウトブレイク発生は3.7倍高かった。マスクを常時着用していないことが学校におけるCOVID-19アウトブレイクには寄与するため、SARS-CoV-2 B.1.617.2(デルタ)変異株の高い感染力を考慮すると、K-12学校にてすべての接種可能齢の生徒、教職員へのワクチン接種、その他の予防策の実施に加え、マスク常時着用はK-12学校におけるCOVID-19予防にいまだ不可欠である。
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