HIV自己検査の消費者直接配布によるHIV検査へのアクセス増加 ― アメリカ、2020年3月31日～2021年3月30日

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MMWR抄訳

2021/09/24Vol. 70 / No. 38

MMWR70(38):1322－1325
Increasing Access to HIV Testing Through Direct-to-Consumer HIV Self-Test Distribution — United States, March 31, 2020–March 30, 2021

HIV自己検査の消費者直接配布によるHIV検査へのアクセス増加 ― アメリカ、2020年3月31日～2021年3月30日

2019年中にアメリカでは新規HIV感染が約34,800例に生じ、HIV感染の約80％がHIVに感染していることを知らない人、または定期的な治療を受けていない人から発生していると推定されている。2006年以降、CDCはHIVの影響を偏って受ける人[男性間性的接触者(MSM)など]に、少なくとも年1回のHIV検査を行うことを推奨しているが、複数の情報源からのデータからは、これらの推奨事項が完全には実施されていないことが示されている。アメリカでHIV検査を希望する人にHIV自己検査キットを供給するための新しい官民パートナーシップであるTakeMeHomeは、COVID-19のパンデミック中に検査のための在宅ケア選択肢の重要性が増したため、2020年3月に開始された。プログラムの開始は、全国的なCOVID-19の公衆衛生上の緊急事態宣言、外出禁止令の発令、従来のHIV検査サービスの途絶につながるその他の制限と同時であった。2020年3月31日～2021年3月30日にプログラムに参加した17州および地方保健部門は、管轄区域の居住者に検査キットを注文することを許可した。TakeMeHomeのマーケティングは、ゲイの出会い系アプリのメッセージと組み込まれたリンク先を通じて、ゲイ、バイセクシュアル、MSMに伝わることに重点を置いた。この期間に、5,325個のキットが4,904名に郵送された。プログラムの参加者の67％はシスジェンダーの男性で、6％はトランスジェンダー、ノンバイナリー、またはジェンダークィアであり、参加者の大半がHIVの検査を受けたことがない(36％)、または最後に検査したのは自己検査キットを受け取る1年以上前(56％)であった。追跡調査に回答した855名(検査キットを受け取った人の17％)のうち73％に男性間性的接触があった。調査回答者の大半は、ゲイの出会い系アプリ内でのBuilding Healthy Online Communitiesによるマーケティングを通じてプログラムについて知り(71％)、プログラムは利便性(63％)とプライバシー(46％)の問題に対処していると思い、進んで友人にプログラムを勧めるつもりである(90％)と回答した。自己検査キットを受け取った後、回答者の10％が追加の性感染症検査にアクセスし、8％が曝露前予防にアクセスした。キットの注文をHIV症例サーベイランスとマッチさせた2つの保健部門では、キットを受け取った人の0.6％～0.8％が、その後、新規にHIVと診断されたと推定した。保健部門は、診療所ベースの検査へ直接アクセスできない人や自宅で検査することを好む人に対して、公的資金による自己検査キットを配布することで、HIV検査の選択肢を増やすことができる。MSMにおける定期的なHIV検査の増加は、毎年の検査目標の達成に役立つであろう。

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