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MMWR抄訳

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2021/08/13Vol. 70 / No. 32

MMWR70(32):1069-1074
West Nile Virus and Other Domestic Nationally NotifiableArboviral Diseases — United States, 2019

ウエストナイルウイルスと他の国に届出義務のあるアルボウイルス疾患 ― アメリカ、2019年

2019年にCDCに報告された国に届出義務のある節足動物媒介ウイルス(アルボウイルス)疾患について、サーベイランスデータをまとめた。2019年、47州およびワシントンDCでは国内アルボウイルス疾患1,173例が報告され、ウエストナイルウイルス(WNV)が971例(83%)、La Crosseウイルスが55例(5%)、ジェームズタウンキャニオンウイルスが45例(4%)、Powassanウイルスが43例(4%)、東部ウマ脳炎ウイルスが38例(3%)、セントルイス脳炎ウイルスが17例(1%)などであった。WNV疾患の症例は、43州およびワシントンDCの285郡から報告され、633例(65%)が神経侵襲性[脳炎361例(57%)、髄膜炎215例(34%)、急性弛緩性麻痺16例(3%)、不特定の神経学的徴候または症状41例(6%)]であり、794例(82%)が7月~9月に発症した。患者の年齢中央値は60歳、572例(59%)が男性で、662例(68%)が入院し、60例(6%)が死亡した。WNVの神経侵襲性疾患の全国罹患率は人口10万人あたり0.19人であり、罹患率が最も高かったのはアリゾナ州(人口10万人あたり1.81人)、ニューメキシコ州(同1.43人)、ワシントンDC(同1.28人)、ネバダ州(同1.10人)であった。2019年のWNV神経侵襲性疾患の罹患率は、2009年~2018年の年間罹患率中央値より53%低かった。La Crosseウイルス疾患は10州から報告され、オハイオ州、テネシー州、ノースカロライナ州にて多く、患者の年齢中央値は8歳、51例(93%)が18歳未満、33例(60%)が男性で、41例(75%)が7月~9月に発症した。48例(87%)は神経侵襲性で、54例(98%)が入院したが、死亡例はなかった。ジェームズタウンキャニオンウイルス疾患は6州から報告され、ミネソタ州とウィスコンシン州にて多く、患者の年齢中央値は59歳、30例(67%)が男性で、29例(64%)が7月~9月に発症した。25例(56%)は神経侵襲性で、26例(58%)が入院し、2例(4%)が死亡した。Powassanウイルス疾患は10州から報告され、マサチューセッツ州、ミネソタ州、ウィスコンシン州にて多く、患者の年齢中央値は64歳、31例(72%)が男性で、17例(40%)が4月~6月に発症した。39例(91%)は神経侵襲性で、38例(88%)が入院し、9例(21%)が死亡した。東部ウマ脳炎ウイルス疾患は10州から報告され、22例(58%)がマサチューセッツ州およびミシガン州からの報告であり、患者の年齢中央値は64歳、27例(71%)が男性で、36例(95%)が7月~9月に発症した。全例が神経侵襲性疾患であり、全例が入院し、19例(50%)が死亡した。セントルイス脳炎ウイルス疾患は4州から報告され、患者の年齢中央値は65歳、12例(71%)が男性で、14例(82%)が7月~9月に発症した。15例(88%)は神経侵襲性で、16例(94%)が入院し、死亡例はなかった。2019年では、Powassanウイルス疾患および東部ウマ脳炎ウイルス疾患の症例が、これまでよりも多く報告された。医療従事者は、無菌性髄膜炎または脳炎患者のアルボウイルス感染を考慮し、推奨される診断検査を実施し、症例は公衆衛生当局に迅速に報告すべきである。サーベイランスは、アウトブレイクを特定し、屋外では虫除けを使用したり、長ズボン、長袖シャツを着用するなどの予防戦略を指南するために重要である。

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