ホームIMICライブラリMMWR抄訳2021年(Vol.70)統合的医療システムでのCOVID-19診断から28・・・
2021/04/30Vol. 70 / No. 17
MMWR70(17):644-650
Health Care Utilization and Clinical Characteristics of Nonhospitalized Adults in an Integrated Health Care System 28–180 Days After COVID-19 Diagnosis — Georgia, May 2020–March 2021
2021年4月19日の時点でアメリカの成人COVID-19症例は2,160万人報告され、その多くは入院を必要としない軽症または中等症であるが、入院していないCOVID-19成人の診断後数カ月間の医療ニーズに関する研究はあまり行われていない。今回、COVID-19と診断された後、入院しなかった成人における長期的な医療利用と臨床的特徴についてよりよく理解するため、CDCとKaiser Permanente Georgiaは統合的医療システムにて、COVID-19の診断後28日~180日の受診について電子カルテデータを分析した。対象は2020年4月4日~9月17日に行われたPCR検査でCOVID-19の原因ウイルスであるSARS-CoV-2が陽性の結果となり、検査日から180日以上経過した18歳以上の患者3,171例とした。そのうち2,177例(68.7%)がCOVID-19診断後28日~180日に外来を受診していた。受診率は、65歳以上で87.5%(203/232例)と高く、18~49歳が65.8%(1,318/2,003例)、50~64歳が70.1%(656/936例)であり、女性にて76.2%(1,368/1,796例)と男性の58.8%(809/1,375例)より高く、非ヒスパニック系黒人にて71.2%(1,184/1,663例)と他の人種/民族より高かった[非ヒスパニック系白人70.0%(609/870例)、ヒスパニック系62.1%(156/251例)、非ヒスパニック系アジア人66.7%(84/126例)]。また、3つ以上の基礎疾患のある患者では(82.6%、549/665例)、基礎疾患のない患者(59.6%、656/1,101例)および1~2つの患者(69.2%、972/1,405例)に比べて受診率が高かった。外来受診例の受診回数は合計7,991回、1例あたり中央値2回受診しており、受診日はCOVID-19診断後28~59日が1,036例、60~119日が1,402例、120~180日が1,370例であった。受診先は診療所が2,177例、急病診療所が484例、救急外来が62例であり、32例(1.5%)が入院した。診療科はプライマリケア/老人病が1,627例(74.7%)、行動/メンタルヘルスが262例(12.0%)、皮膚科が236例(10.8%)、心臓科が134例(6.7%)と多く、呼吸器科は58例(2.7%)のみであった。COVID-19に関連する可能性のある症状での10,000人/日あたりの受診数は、診断から28~59日が2~24回で、120~180日では1~4回に減少し、症状は喉や胸の痛み(7回から4回)、息切れ(8回から3回)、咳(4回から2回)、筋肉痛/疲労感(4回から2回)は減少、慢性疾患(高血圧、糖尿病)、尿路感染症による受診は変化なく経過していた。COVID-19診断から28~180日にて関連症状での受診が持続することは、無症状または軽症の患者が数カ月後も医療を継続している可能性を示唆し、COVID-19診断後の状態を継続的に注意する必要がある。
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