ホームIMICライブラリMMWR抄訳2021年(Vol.70)COVID-19パンデミックの前および最中における・・・
2021/03/26Vol. 70 / No. 12
MMWR70(12):421-426
Rapid Scale-up of an Antiretroviral Therapy Program Before and During the COVID-19 Pandemic — Nine States, Nigeria, March 31, 2019–September 30, 2020
2018年、ナイジェリアに居住する推定180万人がHIVに感染し(総人口の1.3%)、そのうち110万人(64%)が抗レトロウイルス療法(ART)を受けていた。効果的なARTは、HIV感染者の疾病率および死亡率を低下させ、ウイルス量が検出限界以下のレベルに抑制されるとHIV感染を防止する。2019年4月、アメリカのPresident’s Emergency Plan for AIDS Relief(PEPFAR)を通じて、CDCはナイジェリアの9つの州でHIV感染に対するART施行者数を急速に増加させるために18カ月のART Surgeプログラムを開始した。CDCは症例発見、ART開始、患者維持、ART Surgeプログラムの普及に関し、ART Surgeプログラムの進捗を説明するために、2019年3月31日~2020年9月30日に収集されたプログラムデータを分析した。2019年5月4日~2020年3月21日に、ART Surgeプログラムに参加した9つの州で実施された毎週のHIV検査数は14,244件から85,326件に500%増加し、毎週の検査結果陽性数は370%増加し、確認されたHIV感染者は622人から2,929人に増加した。全体での毎週の陽性率中央値は4.3%であった[3.4%(2020年3月21日)~5.4%(2019年7月27日)]。全体として、新規にHIV感染が確認され、ARTを開始した人の毎週の人数は、587人(2019年5月4日で終わる週)から5,329人(2020年9月26日で終わる週)に増加した。ART Surge活動は、2020年3月~5月のCOVID-19パンデミックの影響を受け、実施された検査数、検査結果陽性数、新規にHIV感染が確認され、ARTを開始した人の人数が減少した。ナイジェリアのCentre for Disease Controlのガイドラインに従い、ART Surgeプログラムは、COVID-19緩和策を実施した。2020年5月16日までに、ART Surge活動はパンデミック前(2020年3月21日以前)のレベルに戻り、拡大し続けた。COVID-19のパンデミックにもかかわらず、ART SurgeプログラムによりPEPFARに支援されたARTを受けたHIV感染者は208,202人増加した(2019年3月31日から2020年3月31日までに97,387人、2020年4月~9月までに110,815人)。包括的でデータに基づき地域に適応した介入およびインシデントコマンドストラクチャーの使用は、ARTを受けるHIV感染者数を増やし、HIV関連の罹患率と死亡率を減少させるとともに、HIV感染を減少させるのに役立つ可能性がある。
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