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MMWR抄訳

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2021/01/08Vol. 70 / No. 1

MMWR70(1):12-13
Assessment of Day-7 Postexposure Testing of Asymptomatic Contacts of COVID-19 Patients to Evaluate Early Release from Quarantine — Vermont, May–November 2020

COVID-19患者の無症候性接触者に対する隔離の早期解除を評価する曝露後7日目検査の評価 ― バーモント州、2020年5月~11月

2020年5月8日、Vermont Department of Health(VDH)は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の原因ウイルスであるSARS-CoV-2に曝露した人の隔離期間を短縮することを推奨するHealth Updateを発表した。この方針は曝露した人が隔離中に無症状のままであった場合、7日目以降にPCR検査ができ、検査が陰性であれば隔離を終了することができるものであり、COVID-19症例の約3/4がこの期間内に発症することを示唆する報告に基づくものである。この政策の有効性を評価するため、VDHはCOVID-19と診断された人の接触者の検査データを分析した。5月8日~11月16日、VDHが特定したCOVID-19患者に接触した8,798名のうち、3,983名(45%)が接触後14日以内に検査を希望していた。接触日をday0と定義し、days7~10にPCR検査をした2,200名(55%)を今回の分析に含めた。day7に検査をした977名(44.9%)のうち、34名(3%)がSARS-CoV-2陽性、940名(96%)が陰性、3名(1%未満)は不確定であった。陽性34名のうち12名(35%)は無症状、22名は検査時に症状があり、約半数の症例が曝露から4~7日目に発症していた。陰性940名のうち、154名(16%)が翌週(days8~14)に再検査を受け、152名(99%)は陰性のまま、2名(1%)は不確定であった。また、days8~10にPCR検査をした1,223名では、SARS-CoV-2陽性が53名(4%)、陰性が1,159名(95%)、不確定が11名(1%)であり、陽性者53名のうち12名(23%)が無症状であった。検査結果が陰性/不確定1,170名のうち108名(9%)がその後に検査を受け、107名(99%)は陰性のままであり、1名(1%)が不確定であった。全体では、days7~10にPCR検査をした2,200名のうち87名(4%)がSARS-CoV-2陽性、そのうち24名(28%)が無症状であった。これらの結果は、曝露後7日目に陰性であった隔離対象者は8~14日目の再検査にて陽性者がいなかったことを示しており、曝露後7日目以降の検査も陰性で無症状の人の隔離期間を短縮することがSARS-CoV-2感染へとつながることにはならず、政策は有効であると思われる。また、曝露後7~10日に検査した接触者の3.9%がSARS-CoV-2に感染していたことを示しており、州全体での曝露した人へのサーベイランス検査の強化により早い段階での無症候性患者の特定がパンデミック対応としてバーモント州の政策は有益である可能性がある。

References

  • Lauer SA, Grantz KH, Bi Q, et al. The incubation period of coronavirus disease 2019 (COVID-19) from publicly reported confirmed cases: estimation and application. Ann Intern Med 2020;172:577–82. PMID:32150748 <https://doi.org/10.7326/M20-0504>

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