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MMWR抄訳

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2021/01/01Vol. 69 / No. 51-52

MMWR69(51 & 52):1633-1637
Implications of Shortened Quarantine Among Household Contacts of Index Patients with Confirmed SARS-CoV-2 Infection — Tennessee and Wisconsin, April–September 2020

SARS-CoV-2感染が確認されたインデックス患者の家庭内接触者における隔離期間短縮の影響 ― テネシー州およびウィスコンシン州、2020年4月~9月

新型コロナウイルス感染症の原因ウイルスであるSARS-CoV-2のさらなる感染を防ぐために、現在、CDCはSARS-CoV-2感染者と濃厚接触していた人は、感染者との最後の接触後14日間の隔離(他者に近づかない)を推奨しているが、長期間の検疫の維持は困難な可能性もある。隔離期間短縮によりコンプライアンスが向上する可能性もあり、CDCは、地域の状況と検査の利用状況に基づいて、症状のない濃厚接触者に対し、隔離期間を短縮する2つの選択枝[(1)検査せずに10日間で隔離終了可能、(2)検査結果が陰性と判明後は7日間で隔離終了]を推奨している。ただし、隔離期間の短縮は、推奨されている14日間の終わり近くに発症または感染した人から疾患が感染するのを進行させることになるかもしれない。隔離期間の短縮後にウイルスが検出された家庭内接触者の割合を把握するため、SARS-CoV-2の家庭内伝染に関する現在進行中の研究の中間データを分析した。2020年4月~9月にインデックス患者105例、インデックス患者の家庭内接触者185例が登録された。家庭内接触者の45%が男性、年齢中央値は27歳であった。家庭内接触者は、14日間にわたり毎日の症状日記の記載と呼吸器検体の自己採取を完遂した。検体のSARS-CoV-2は、RT-PCR法を使用して検査した。家庭内接触者はインデックス患者の発症後、中央値で4日目に登録され、本研究の追跡調査期間はインデックス患者の発症後、中央値16日間であった。追跡期間中に全体で109例(59%)の家庭内接触者の呼吸器検体からSARS-CoV-2が検出され、最初の陽性検体が採取されたのは、インデックス患者の発症後、中央値5日目であった。感染したすべての家庭内接触者のうち76%(109例中83例)がインデックス患者の発症後7日以内に、86%(109例中94例)が10日以内に感染が見つかった。無症候性でRT-PCR検査結果が7日目まで陰性であった家庭内接触者が、インデックス患者の発症後14日目まで無症候性かつ検査結果陰性を持続する確率は81%であり、家庭内接触者が10日目まで無症候性かつ検査結果が陰性であった場合、確率は93%まで上昇した。以上、14日間より短いSARS-CoV-2の隔離期間は遵守するのが容易になるかもしれないが、14日目より前に解放された家庭内接触者から感染が進行する可能性がある。

References

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