ホームIMICライブラリMMWR抄訳2020年(Vol.69)医療センターにおけるCOVID-19パンデミック中・・・
2020/12/18Vol. 69 / No. 50
MMWR69(50):1895-1901
Health Center Testing for SARS-CoV-2 During the COVID-19 Pandemic — United States, June 5–October 2, 2020
長年にわたる社会的不平等と医療格差の結果、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染、重症化、死亡のリスクは少数派の人種/民族集団にて高くなっている。Health Resources and Services Administration (HRSA)のHealth Center Programでは、アメリカにおける13,000のサービス提供会場にて約3,000万名に対し包括的なプライマリケアを提供する1,400件に近い医療センターを援助しており、2019年、これらHRSA医療機関にて人種/民族を報告した患者の63%が少数派の人種/民族であることが確認された。2019年のHRSA Uniform Data Systemへの報告では、HRSAが援助している医療センターでは患者の35%が非ヒスパニック系白人(白人)、35%がヒスパニック/ラテン系(ヒスパニック系)、18%が非ヒスパニック系黒人(黒人)、4%が非ヒスパニック系アジア人(アジア人)、1%が非ヒスパニック系アメリカインディアン/アラスカ先住民(AI/AN)、1%が非ヒスパニック系ハワイ先住民/太平洋諸国民(非ヒスパニック系)、1.3%が多民族であった。それに比べて、2019年のAmerican Community Surveyによるアメリカの人口構成の推定値は、白人が60%、ヒスパニック系が18%、黒人が12%、アジア人が6%、AI/ANが1%、ハワイ先住民/太平洋諸国民が0.2%、多民族が3%であった。2020年6月5日~10月2日、本調査に参加した医療センターにて3,194,838名にCOVID-19の原因ウイルスであるSARS-CoV-2の検査が行われ、308,780名が陽性結果であった。検査人数はテキサス州が最も多く(353,081名、11%)、陽性者数はカリフォルニア州が最も多かった(46,113名、15%)。Health Center COVID-19 Surveyに報告されたデータに基づくと、SARS-CoV-2検査を受けた人は白人(941,017名)とヒスパニック系(913,718名)ともに29%、検査結果が陽性であったのは白人の19%(59,959名)、ヒスパニック系の45%(140,462名)であり、人種/民族の報告がなかったのは687,903名(22%)で陽性は57,208名(19%)であった。プエルトリコでは検査を受けた人の96%がヒスパニック系であり、ネバタ州(56%、9,990名)、ニューメキシコ州(56%、11,705名)でもヒスパニック系の割合が高く、ヒスパニック系の人数はカリフォルニア州にて最も多く(186,034名)、陽性率は18%であった(33,310名)。検査結果陽性例のうちヒスパニック系の占める割合はプエルトリコが98%(2,095名)、ニューメキシコ州が73%(531名)と高かった。黒人は検査を受けた人の15%(491,311)、検査結果陽性者の12%(38,385名)であり、ミシシッピ州では検査を受けた黒人の割合が最も高く(67%、25850名)、検査陽性例も最も多かった(69%、2,348名)。検査を受けた黒人の人数はジョージア州にて多く(43%、42,889名)、検査結果陽性者数も多かった(32%、4,204名)。州と地域の公衆衛生機関におけるCOVID-19対応に関連した活動の連携を改善することに取り組むことで、HRSAが支援する医療センターはCOVID-19リスクの高い集団における検査と経過観察の治療を増やすことができる。
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