ホームIMICライブラリMMWR抄訳2020年(Vol.69)近隣州での10日間のオートバイラリーに関連したCO・・・
2020/11/27Vol. 69 / No. 47
MMWR69(47):1771-1776
COVID-19 Outbreak Associated with a 10-Day Motorcycle Rally in a Neighboring State — Minnesota, August–September 2020
2020年8月7日~16日、サウスダコタ州西部にてオートバイラリーが開催され、10日間にわたる屋内外のイベントにアメリカ中から約46万人を誘致した。2020年8月21日、ミネソタ州保健局(MDH)はこのオートバイラリーの参加者での新型コロナウイルス感染症(COVID-19)症例を確認し、ラリーに関連するCOVID-19アウトブレイクについて、ミネソタ州民を調査した。51例のイベント関連の一次症例(オートバイイベント参加者またはイベント開催期間中にオードバイでサウスダコタ州西部へ移動し、8月30日より前に発症または検体が採取され陽性と判断された症例と定義)が特定され、35例の家庭、社会、職場での接触者のおける二次または三次の症例は35例、合計86症例が確認された。このうち、4例が入院し、1例が死亡した。全体として、64例(74%)が症候性であり、一次症例が51例中39例(76%)、二次および三次症例が35例中25例(71%)であった。ラリー開始後に発症した一次症例の発症日は8月8日~8月26日であった。2例ではイベント前に症状があり、感染性期間中にラリーに参加していた。一次症例の年齢中央値は44歳(26~76歳)、31例(61%)が男性であった。インタビュー調査を受けた48例のうち16例(33%)が感染性期間中に働いており、ラリーで働いていた5例とラリーから戻った後に医療施設で働いていた4例が含まれていた。インタビュー調査を受けた一次症例のCOVID-19患者は、合計で59名の家庭内接触者(1例あたり0~4名)と43名の地域/職場での接触者(1例あたり0~6名)を報告した。ミネソタ州の87郡の約3分の1(34%)で、このラリーに関連する少なくとも1例以上の一次、二次、三次の症例が発生し、ゲノムシーケンシングにより、オートバイラリーとの関連が裏付けられた。8月5日に、MDHはメディアイベントを通じて、オートバイラリーの参加者は帰宅後14日間隔離し、無症候性であっても5~7日後に検査することを推奨した。COVID-19が確認された参加者および密接な接触者は自己隔離するように指示され、COVID-19が確認された患者の接触者は、検疫を受けるように指示された。これらの調査結果は、SARS-CoV-2の蔓延を遅らせるためのマスクの使用、ソーシャルディスタンス、集会への参加者数の削減、COVID-19症例の隔離、濃厚接触者の検疫に関する現在の推奨事項を裏付けている。さらに、他の州の居住者に対するオートバイラリーの影響を捕捉していないが、州全体で一貫した感染軽減策の論理的根拠を示している。
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