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MMWR抄訳

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2020/10/16Vol. 69 / No. 41

MMWR69(41):1497-1502
Factors Influencing Risk for COVID-19 Exposure Among Young Adults Aged 18–23 Years — Winnebago County, Wisconsin, March–July 2020

18~23歳の若年成人のCOVID-19感染リスクに影響する要因 ― ウィスコンシン州ウィネベーゴ郡、2020年3月~7月

2020年5月13日、ウィスコンシン州最高裁判所は、州の緊急自宅待機令を「違法、無効、法的強制力がない」と宣言し、それによって社会的およびビジネス上の交流機会を増加させた。ウィスコンシン州ウィネベーゴ郡では6月中旬までに、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の原因ウイルスであるSARS-CoV-2の感染数が増加し、郡の人口の12.5%にあたる18~23歳(若年成人)で最大の増加を示した。ウィネベーゴ郡の若年成人におけるCOVID-19感染の要因を特定するために、この年齢層のCOVID-19症例の特徴と行動の要因を調査した。さらに、7月9日から22日にかけて、半構造化されたインタビュー指針を使用し、30名の重要な情報提供者(若者13名、若者に接する機会の多い事業主9名、地域の指導者8名)にインタビューを実施した。2020年3月1日~7月18日、ウィネベーゴ郡の累積COVID-19症例757例中240例(32%)が若年成人であり、非ヒスパニック系白人が72%、その他の人種/民族または人種/民族不明が14%、ヒスパニック系が7%、非ヒスパニック系黒人が4%で、半数以上が女性であり(54%)、72%が就労者であった。38%が自身のウイルス曝露期間中に集会に参加し、84%にCOVID-19と一致する臨床症状があった。13名の若者へのインタビューの分析では、マスクを着用しないと社会的または仲間からのプレッシャーを感じる述べ、自分自身の疾患の転帰の重症度は低いが、愛する人へのリスクは高いと考えていた。疾患の転帰の重症度を低く受け止めることは、愛する人と物理的に接触していないときには、集会に参加したり、マスクを着用しない理由を部分的に説明しているかもしれない。インタビューを受けた事業主と地域の指導者では、すべての事業主は地元の保健当局をCOVID-19情報の信頼できる情報源として認識していたが、一部の地域の指導者は違っていた。さらに、多くの事業主や地域の指導者は、マスクの必要性や有効性に関する誤った情報、矛盾するメッセージ、または反対意見にさらされた。誤った情報や不明確なメッセージに触れることは、アウトブレイク中の行動の要因として特定されており、マスクの必要性と有効性について明確で一貫したメッセージを提供することの重要性を強調している。さらに、他者を保護するという若年成人の責任を増幅し、公衆衛生ガイダンスに従わないと受け取られている社会的または仲間からのプレッシャーを対象とするフレーミングコミュニケーションメッセージは、COVID-19蔓延を予防するために公衆衛生ガイドラインを遵守するよう若年成人を納得させる可能性がある。

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