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MMWR抄訳

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2020/09/18Vol. 69 / No. 37

MMWR69(37):1330-1333
Progress Toward Poliovirus Containment Implementation — Worldwide, 2019–2020

ポリオウイルス封じ込めの実現に向けた進展 ― 全世界、2019年~2020年

WHOの加盟国とパートナーがGlobal Polio Eradication Initiativeを開始した1988年以降、野生型ポリオウイルス(WPV)の症例数は、125カ国で35万人から2019年にはわずか2カ国のみで176人に減少した。ポリオ根絶の認定のためのGlobal Commissionは、3つのWPVタイプのうち2つ、2型(WPV2)および3型(WPV3)の世界的な根絶をそれぞれ2015年と2019年に宣言した。野生型ポリオウイルス1型(WPV1)は、アフガニスタンとパキスタンで依然として流行している。ポリオウイルス施設からコミュニティへ根絶されたポリオウイルスの再導入を防ぐために、厳格なバイオリスク管理措置下での封じ込めが不可欠である。2015年には、加盟国は、世界標準に従って認定されたpoliovirus-essential facility施設(PEF)において、2型ポリオウイルス(PV2)を封じ込めることを約束した。加盟国は、PV2の国内在庫を毎年報告し、不要なPV2マテリアルを破棄し、PV2マテリアルを保持している場合は、封じ込めのための国内当局(NAC)とPEF監査プロセスを確立することに合意した。2015年、WHO加盟国は、WPVのタイプ特異的な根絶および経口ポリオワクチン使用の一連の中止後のポリオウイルス施設に関連したリスクを最小にするために、WHO Global Action Planによって認定された指定PEFにおいて、すべてのPV2ウイルス[すなわち、野生型、ワクチン由来2型ポリオウイルス(VDPV2)、および経口ポリオワクチン2型(OPV2)/Sabin2]を封じ込めることを決議した(GAPIII)。2020年8月の時点で、合計25か国が73の指定PEFにPV2マテリアルを保持し続けることを計画しているが、GAPIII適合として認定されている施設はまだない。NACは、これらの国のうち22か国で設立された。2019年10月にWPV3根絶が宣言されて以来、これらの活動はWPV3マテリアルでも義務付けられている。1価Sabin OPV2と同様に、アウトブレイク対応に新規の2型OPVまたは3価Sabin OPVを使用している国は、PV封じ込め要件に従って関連マテリアルを追跡および報告する必要がある。2019年から2020年にかけて、新型コロナウイルス感染症のパンデミックなどの課題に直面したが、世界的なポリオウイルス封じ込めプログラムは引き続き重要な目標に向けて取り組んでいる。すべてのWHO加盟国は進展を維持するために、法的に権限を与えられたNACの正式な設立や、PEF証明書の提出を含む、合意された封じ込め決議の遵守が求められている。

References

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