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MMWR抄訳

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2020/09/11Vol. 69 / No. 36

MMWR69(36):1269-1272
Newborn Screening Practices and Alpha-Thalassemia Detection — United States, 2016

新生児スクリーニング検査の実施とαサラセミアの検出 ― アメリカ、2016年

αサラセミアは遺伝性疾患であり、ヘモグロビン(Hb)のα鎖の生成が低下する。中等症~重症の貧血、溶血、成長遅延、脾臓腫大などを引き起こし、血栓塞栓症のリスクが増大する。アメリカでの公衆衛生データはないが、カリフォルニア州では新生児10,000人に1人がαサラセミア症候群と報告されている。有病率はラオス人、カンボジア人に多く、アフリカ人、中国人、フィリピン人、地中海沿岸人種、ベトナム人、タイ人および中東に祖先をもつ人にもみとめられる。2016年10月、Association of Public Health Laboratories’ Hemoglobinopathy Workgroupはαサラセミアのスクリーニング検査の実施状況を知るため、アメリカの新生児スクリーニング検査プログラムにて初めての全国調査を開始した。53プログラムのうち44プログラム(83%)にて調査が行われ、41(93%)プログラムにて結果が報告された。25プログラム(57%)ではαサラセミアに関して2つの検査方法を使用しており、14プログラム(32%)では1つの検査方法を使用、2プログラムは不明であった。2つの検査方法を使用しているプログラムでは、第1検査法として等電点電気泳動法(IEF)を15プログラム、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を10プログラムにて使用し、第2検査法としてHPLCを5プログラム、IEFを10プログラムにて使用していた。1つの検査方法を使用しているプログラムでは、IEFを8プログラム、HPLCを6プログラムにて使用していた。α遺伝子欠損が多い患者ではHbのBart(ヘモグロビン合成不全の1種)値と臨床重症度が高く、αサラセミアの型はHb Bartと関連しており、各プログラムにてスクリーニング検査に使用する域値またはcut off値を設定している。αサラセミアの検査結果の伝え方はプログラムによって違い、検査室のほとんどが検査結果を新生児スクリーニング検査フォローアッププログラムに報告し、その報告を受けて、医師へ確定診断の推奨がされ、親が直接通知を受けることは少ない傾向にある。その他の検査結果の報告先には、産院、血液学者、地域の鎌状赤血球症専門センター、委託された専門医などがある。41の新生児スクリーニング検査プログラムのうち33プログラム(80%)では、結果を親に伝え、再検査または経過観察を推奨しており、これらの推奨はHb Bartの割合によるものが大きい。αサラセミアのスクリーニング検査技術および報告方法を標準化することにより、公衆衛生的影響、臨床転帰について、より理解しうるデータの提供が可能となり、適切な治療と転帰の改善を確かにする可能性がある。

References

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