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MMWR抄訳

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2020/08/14Vol. 69 / No. 32

MMWR69(32):1064-1069
Top Food Category Contributors to Sodium and Potassium Intake — United States, 2015–2016

ナトリウムおよびカリウム摂取に関与する上位食品カテゴリー ― アメリカ、2015年~2016年

アメリカ成人の多くはナトリウムを過剰に摂取しているが、カリウムについては十分ではない。ガイドラインでは19歳以上の健康成人におけるナトリウム摂取量は2,300mg/日を超えないことと、カリウム摂取は男性では少なくとも3,400mg/日、女性では少なくとも2,600mg/日とするよう推奨されている。National Health and Nutrition Examination Survey(NHANES)の食事に関するインタビュー調査の構成要素であるWhat We Eat in America(WWEIA)の2015年~2016年のデータを使用し、1歳以上のアメリカ住民におけるナトリウムおよびカリウム摂取に関与する食品を分析した。分析対象は回答者9,544名(回答率58.7%)のうち、1歳未満、食事やエネルギー摂取の回答が不完全な回答者、母乳を飲んでいる児童、妊婦、妊娠の可能性がある人、授乳中の人などを除外した7,976名とした。1歳以上のアメリカ人におけるナトリウム摂取量は平均3,397mg/日であり、そのうち40%を占めた上位10の食品カテゴリーは、デリミートサンドイッチ(6.3%)、ピザ(5.4%)、ブリトー/タコス(5.3%)、スープ(4.1%)、塩味のスナック菓子(チップス、クラッカー、ポップコーンなど、3.8%)、鶏肉(ナゲット/テンダーを除く、3.7%)、パスタの入った料理(マカロニとチーズを除く、3.0%)、野菜(じゃがいもを除く、2.9%)、バーガー(2.8%)、卵/オムレツ(2.7%)であった。ほぼすべてのサブグループにてナトリウム摂取に関与する上位5食品カテゴリーがこれらの10食品カテゴリーに含まれていたが、年齢1~3歳の幼児では風味のついていない牛乳(7.5%)、71歳以上の成人では食パン/ロールパン/丸いパン(4.0%)、非ヒスパニック系アジア人では米(9.0%)と食パン/ロールパン/丸いパン(3.6%)、ヒスパニック系ではケサディア/ファヒータ/エンチラーダ(4.3%)、血圧が高い19歳以上の成人ではミートサンドイッチ(3.6%)が含まれていた。全体でのカリウム摂取量は平均2,497mg/日であり、43%を占めた上位10食品カテゴリーは、風味のついていない牛乳(6.4%)、果物(6.4%)、野菜(じゃがいもを除く、6.1%)、コーヒー(5.1%)、塩味のスナック菓子(3.5%)、100%フルーツジュース(3.3%)、マッシュポテト/ベイクドポテト/茹でたじゃがいも(3.2%)、デリミートサンドイッチ(3.1%)、鶏肉(2.9%)、ブリトー/タコス(2.9%)であった。これらの食品カテゴリーが全体のカリウム摂取量に占める割合は年齢サブグループにより異なり、14~18歳では39.5%、1~3歳では56.1%であった。また、すべてのサブグループにてカリウム摂取に関与する上位5食品カテゴリーは全体での上位10食品カテゴリーに含まれていたが、4~8歳および9~13歳では風味のついた牛乳(各7.0%、4.2%)、14~18歳ではピザ(5.7%)、アジア人ではスープ(6.5%)が含まれていた。これらの結果から、ナトリウム含量の低い食品を摂取してナトリウム摂取量を減らし、カリウム摂取量を増加させることで心血管系疾患を予防しうることが示唆された。

References

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