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MMWR抄訳

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2020/07/17Vol. 69 / No. 28

MMWR69(28):918-922
Detection and Genetic Characterization of Community-Based SARS-CoV-2 Infections — New York City, March 2020

SARS-CoV2感染の市中ベースでの検出および遺伝子学的特徴 ― ニューヨーク市、2020年3月

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の原因ウイルスであるSARS-CoV-2の渡来を制限するため、アメリカでは2020年2月2日に中国、3月13日にはヨーロッパからの渡航を制限した。ニューヨーク市(NYC)のDepartment of Health and Mental Hygiene(DOHMH)は3月1日~20日に地域でのSARS-CoV-2感染を検出できるかを検討するため、NYCの6つの病院の救急科(ED)にて定点調査を実施し、3月8日にSARS-CoV-2の市中感染が持続していることを発表した。この期間に定点医療機関EDにてインフルエンザ様症状のある患者から544検体が検査され、うち36検体(6.6%)がSARS-CoV-2陽性を示した[全年齢:22/425検体(5.2%)、18歳未満:14/119検体(11.8%)]。これらの陽性検体のうち32検体(89%)は3月8~10日と3月17~19日の間に得られた。全年齢集団におけるSARS-CoV-2推定有病率は3月1日の週にて0.3%、3月8日の週にて11.3%であり、未検出感染例はそれぞれ15例、1,170例と推定され、確診例はそれぞれ26例、1,917例であった。18歳未満の集団におけるSARS-CoV-2推定有病率は3月8日の週にて2.0%、3月15日の週にて17.7%であり、未検出感染例はそれぞれ103例、227例と推定され、確診例はそれぞれ42例、457例であった。陽性検体の全ゲノム配列では、すべての配列が3つのグループ(A、BおよびC)に分類され、グループAはアメリカ国内、主にワシントン州にて診断された患者由来の配列であり、NYCクラスター配列のうち2配列が含まれ、グループBは中国で検出された初期の配列および他の世界的な配列であり、NYCクラスター配列のうち7配列が属した。残りの27配列はヨーロッパおよび北米で検出された配列グループCに含まれ、NYCにおけるSARS-CoV-2はヨーロッパから輸入されたことが示唆された。

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