ホームIMICライブラリMMWR抄訳2020年(Vol.69)新型コロナウイルス感染症の症例サーベイランス ― ・・・
2020/06/19Vol. 69 / No. 24
MMWR69(24):759-765
Coronavirus Disease 2019 Case Surveillance — United States, January 22–May 30, 2020
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックにより、2020年5月30日までに世界中で5,817,385例の症例が報告され、362,705例が死亡した。アメリカでは1,761,503例が報告され、103,700例が死亡した。7日間の1日あたりの新規症例の移動平均数は4月12日にピークに達し(31,994例)、死亡例も4月21日にピークに達した(2,856例)。5月30日時点での7日間の新規症例の移動平均数は1日あたり19,913例、死亡は950例であった。今回、2020年1月22日~5月30日にCDCに報告されたCOVID-19症例のうち、検査で確定診断された1,320,488例の人口統計学的特徴、基礎疾患、症状、転帰について報告する。罹患率は人口10万人あたり403.6であり、女性(406.0)と男性(401.1)では同等であった。年齢中央値は48歳であり、年齢別発症率は80歳以上にてもっとも高く(902.0)、9歳以下の小児にてもっとも低かった(51.1)。また、60~69歳(478.4)、70~79歳(464.2)に比べ、40~49歳(541.6)、50~59歳(550.5)にて高かった。人種/民族に関する情報が明らかな599,636例(45%)のうち、非ヒスパニック系白人が36%、ヒスパニック系が33%、黒人が22%、アジア系が4%、非ヒスパニック系その他人種が4%、アメリカインディアン/アラスカ先住民が1.3%、非ヒスパニック系ネイティブハワイアン/太平洋諸国民が1%未満であった。症状に関しては616,541例(47%)にて報告され、そのうち22,007例(4%)無症候性であった。個々の症状に関するデータは373,883例(28%)にてあり、70%が発熱、咳、または息切れ、36%が筋肉痛、34%が頭痛を来し、全体で31,191例(8%)が嗅覚または味覚の消失を報告した。各基礎疾患に関するデータは287,320例(22%)にてあり、心血管疾患(32%)、糖尿病(30%)、慢性肺疾患(18%)が多く、男女で割合は同等であった。15~44歳で妊娠状態が明らかな女性63,896例のうち、6,708例(11%)が妊娠していた。入院情報が明らかな1,320,488例のうち、入院は184,673例(46%)、うち29,837例(2%)がICUに入院し、71,116例(5%)が死亡した。基礎疾患のある症例の入院率は基礎疾患のない症例に比べ6倍高く(45.4% vs. 7.6%)、死亡率は12倍高かった(19.5% vs. 1.6%)。また、男性の入院率(16%)、ICU入院率(3%)、死亡率(6%)は女性に比べ高く(それぞれ12%、2%、5%)、基礎疾患がある症例のICU入院率は60~69歳(11%)、70~79歳(12%)にてもっとも高く、死亡率は基礎疾患の有無に関係なく80歳以上にてもっとも高かった(基礎疾患あり:50%、なし:30%)。
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