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MMWR抄訳

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2020/05/15Vol. 69 / No. 19

MMWR69(19):606-610
High SARS-CoV-2 Attack Rate Following Exposure at a Choir Practice — Skagit County, Washington, March 2020

合唱練習で接触後における高いSARS-CoV-2感染率 ― 2020年3月、ワシントン州スカジット郡

2020年3月17日、ワシントン州スカジット郡合唱団のメンバーは、122名の合唱団のメンバーのうち数人が発病したことをスカジット郡公衆衛生(SCPH)に通知した。スカジット郡の2名と別の地域の1名の合計3名が、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の原因ウイルスであるSARS-CoV-2の検査をしたところ、陽性結果となり、さらに25名にCOVID-19に合致する症状があった。SCPHは合唱団のメンバーの名簿を取得し、3月18日に調査を開始した。調査では、3月10日の合唱練習に参加した1名に、3月7日から風邪のような症状があり、この人物は3月3日の練習にも参加しており、RT-PCR法によるSARS-CoV-2の検査結果が陽性であった(インデックス患者)。合唱の練習には、3月3日に78名、3月10日に61名が参加していた。3月10日の練習に参加した61名のメンバーの年齢中央値は69歳(31~83歳)で、84%が女性であった。検査で確定診断されたインデックス患者を除いた60名の参加者のうち52名(86.7%)が発症した。これらの症例のうち32人(61.5%)はRT-PCR検査により陽性が確認され、20名(38.5%)が感染の疑いが高いと考えられた。二次感染率は、確定診断例で53.3%、すべての症例で86.7%であった。参加者に症状が発現したのは練習後1~12日(中央値=3日)であった。53名中3名(5.7%)が入院し、このうち2名(3.8%)が死亡した。発症から入院までの平均期間は12日、発症から死亡までの期間は、14日および15日であった。2.5時間におよぶ歌の練習では、メンバー同士が隣に並んで着席し、軽食を分け合う、練習後に椅子を積み上げるなど、飛沫や媒介物による感染の機会がいくつかあった。歌う行為自体が、発声の大きさが影響するエアロゾル放出による感染に寄与した可能性がある。スピーチ中に他の人よりも多くのエアロゾル粒子を放出する、いわゆるスーパーエミッターとして知られる特定の人が、これに寄与したかもしれない。これらのデータは、SARS-CoV-2の高い感染性とある特定の活動や環境において、広範な感染に寄与するスーパーエミッターの可能性を示している。感染を減少させるために、他者との対面での接触、集会、密集した場所を避け、6フィート以上の物理的な距離を保ち、ソーシャルディスタンスの確保を保つのが難しい公共の場では布製のフェイスカバーを着用することを推奨する。

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