ホームIMICライブラリMMWR抄訳2020年(Vol.69)小児の定期接種ワクチンの注文数とワクチン接種に対す・・・
2020/05/15Vol. 69 / No. 19
MMWR69(19):591-593
Effects of the COVID-19 Pandemic on Routine Pediatric Vaccine Ordering and Administration — United States, 2020
2020年3月13日に、アメリカ合衆国大統領は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックに対応して、国家非常事態宣言を発令した。それまでに、50州すべてで検査により確定診断された症例が報告され、定期的な予防、その他の緊急ではない治療を継続して提供しているアメリカの医療ケアシステムの能力に混乱が予測された。さらに、多くの州や地域にてCOVID-19蔓延を低減させるため、一時退避令(shelter-in-place)」や外出禁止令(stay-at-home)が発令され、家の外での移動は生活に必須な活動のみに限定された。CDCは3月24日、定期的な小児科検診と小児予防接種の重要性(特に多くの小児用ワクチンが推奨される生後24カ月以下の幼児に対する)を強調するガイダンスを掲載した。CDCのVaccine Tracking Systemのデータによると、期間1(2019年1月7日~4月21日)と比較して期間2(2020年1月6日~4月19日)では、Vaccines for Children Program(VFC)が資金提供し、Advisory Committee on Immunization Practicesが推奨するインフルエンザ以外の小児用ワクチン、麻疹含有ワクチンの注文数が著しく減少している。この減少は国家非常事態宣言の翌週から始まり、他のワクチンの注文数も同様に減少した。また、Vaccine Safety Datalinkのデータによれば、2020年3月16日から始まる週における麻疹含有ワクチン投与の減少も伴っている。生後24カ月以下の幼児では24カ月を超える幼児と比較して、ワクチン接種の減少は目立たず、その後の3月下旬にワクチン接種の増加は、より顕著であった。小児用定期摂取ワクチンの注文数とワクチン接種数の減少が確認されたことは、アメリカの小児とその地域が、ワクチンで予防可能な疾患のアウトブレイクのリスク上昇に直面していることを示している可能性がある。COVID-19パンデミックが続いているような状況下であったとしても、ワクチンで予防可能な深刻な疾患から子供を守ることは極めて必要であるということを、親に再認識させることは重要である。迅速なキャッチアップ接種を達成するために、医療従事者と地域レベル、州レベル、連邦レベルでの公衆衛生当局の間で継続的な協調的努力が必要となるだろう。
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