ホームIMICライブラリMMWR抄訳2020年(Vol.69)刑務所および拘置所におけるCOVID-19 ― ア・・・
2020/05/15Vol. 69 / No. 19
MMWR69(19):587-590
COVID-19 in Correctional and Detention Facilities — United States, February–April 2020
アメリカでは、推定210万人の成人が、約5,000の刑務所および拘置所に収容されている。多くの施設では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の原因ウイルスであるSARS-CoV-2のように、感染力の高い病原体の蔓延を制御する上で重要な課題に直面している。このような課題には、密集した雑居房、共有トイレ、限られた医療と隔離のリソース、毎日のスタッフおよび訪問者の出入り、絶え間ない新たな収監者または拘留者の入所、多人数の車で裁判所関連、医療、警備上の理由により輸送される収監者または拘留者が含まれる。2020年4月22日~28日に、54の州および準州の保健省管轄区のうち37管轄区からCOVID-19症例の集計データがCDCに報告された。32の管轄区域(86%)の合計420カ所の刑務所および拘置所から検査で確定診断されたCOVID-19症例が報告され、収監者または拘留者が4,893例、施設スタッフが2,778例であった。感染があった施設の半数以上(221カ所、53%)で感染報告例はスタッフのみであった。収監者または拘留者におけるCOVID-19症例のうち、491例(10%)がCOVID-19により入院し、88例(2%)が死亡した。スタッフの症例では、79例(3%)が入院し、15例(1%)が死亡した。症例が報告された32の管轄区域のうち、感染があった施設数の中央値は10カ所(1~59カ所)であり、収監者または拘留者症例数の中央値は34例(0~858例)、スタッフ症例数の中央値は26例(1~756例)であった。刑務所および拘置所において、COVID-19症例を迅速に特定し、症状のスクリーニングや隔離などの予防策を一貫して適用することは、収監者または拘留者やスタッフを保護するために重要である。
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