ホームIMICライブラリMMWR抄訳2020年(Vol.69)高齢者自立生活支援施設の居住者および職員におけるS・・・
2020/04/10Vol. 69 / No. 14
MMWR69(14):416-418
Detection of SARS-CoV-2 Among Residents and Staff Members of an Independent and Assisted Living Community for Older Adults — Seattle, Washington, 2020
ワシントン州シアトルでは新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の初発例が報告され、コミュニティレベルでのアウトブレイクが進行中であり、長期高度看護施設の高齢者では感染の拡大が早く、疾病率および死亡率が高いエビデンスがある。2020年3月5~9日、シアトルの高齢者自立生活支援施設(施設1)の居住者2名がCOVID-19と確定診断され入院した。3月6日からソーシャルディスタンスと他の予防策が施行され、また、施設1の調査が開始された。施設1は83居室(自立生活者用:45室、支援生活者用:38室)、玄関ホールや廊下などの共有部、共用の食事場所、図書室、活動エリアがある。3月6日以降、居住者は各部屋に隔離され、共用場所での食事や活動、施設への来訪者が禁止された。施設職員はスクリーニング検査を受け、症状のあるスタッフは現場から外され、手が触れる場所の清掃、消毒の頻度を増やす、手指消毒をできる場を追加するなどの衛生面が強化された。3月10日および11日に、施設居住者80名と職員62名がCOVID-19の原因ウイルスであるSARS-CoV-2の検査を受けた。居住者の平均年齢は86歳(69~102歳)、女性が77%であり、79%に慢性疾患を認めた(慢性肺疾患、糖尿病、心血管疾患、脳血管疾患、腎疾患、認知機能障害、肥満など)。職員の平均年齢は40歳(16~70歳)、女性が72%であった。SARS-CoV-2は居住者3名(3.8%)、スタッフ2名(3.2%)から検出された。陽性の居住者で検査時に症状があった者はおらず、1名(居住者C)が14日以内に軽い咳と軟便があったが症状は消失していた。陽性の居住者3名は別の階に住み、1名は日常生活支援を受ける居住者であった。1名は入院した2名と同じ階に住み、1名はCOVID-19で入院した1名と濃厚接触があり、もう1名は入院した2名と接触はなかった。SARS-CoV-2検査が陽性であった職員の1名は食事の提供、もう1名は介護に従事しており、2名とも症状があった。職員の1名は10日間の頭痛があり、もう1名は5日間の体の痛み、頭痛、咳があり、症状のある間は働いていなかった。7日後の2回目の検査ではさらに1名の居住者が陽性となった。3月31日の時点で、居住者はそれぞれの部屋で引き続き隔離されており、臨床的に安定している。
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