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MMWR抄訳

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2020/03/20Vol. 69 / No. 11

MMWR69(11):298-302
Variation in Adult Outpatient Opioid Prescription Dispensing by Age and Sex — United States, 2008–2018

成人の外来オピオイド処方調剤の年齢および性別による差異 ― アメリカ、2008年~2018年

2017年に処方オピオイドは、アメリカにおけるオピオイド関連の過剰摂取による死亡の36%に関与していた。処方オピオイドは、処方または転用(合法の規制薬物を違法に流用)によって入手できる。新規のヘロイン使用者のうち66%~83がオピオイド使用は処方オピオイドの誤用から始まったと言っている。「誤用」とは、一般的に、処方した医師が指示した以外の目的で、処方よりも量や頻度が多く、より長期に薬物を使用することと定義される。推奨される処方を確実にすることにより、処方オピオイドへの曝露を減らすことができ、それによって、誤用、オピオイド使用障害、過剰摂取のリスクを軽減することができる。一方、処方オピオイドへの曝露が高い性別および年齢層は明確ではない。今回、IQVIAの小売医薬品データベースを使用し、2008年~2018年の成人外来患者における年齢と性別によるオピオイド処方調剤率の全国的な傾向を調査した。2018年では、オピオイドの処方はアメリカ成人人口の19.2%に調剤され、患者あたりの平均処方回数は3.6回であった。2018年では、65歳以上の成人の25.0%にオピオイド処方があり、男性の23.5%、女性の26.1%であった。20~24歳の患者と比較して65歳以上の患者は、2018年にオピオイドの処方の調剤が行われる傾向が約2.6倍高かった。2008年から2018年では、オピオイド処方薬を調剤された成人の割合は、27.8%から19.2%へ全体で31%減少し、この低下は、各年齢層および性別で顕著であった。低下の大きさは、年齢層によって4倍の差があり、毎年1.7%(55~64歳および65歳以上の患者)~6.7%(20~24歳の患者)であった。2018年では、女性はオピオイド処方の調剤の全体的なオッズが男性よりも約1.5倍高かった(21.9% vs. 16.5%)。患者ごとに処方オピオイド使用のベネフィットとリスクを検討し、疼痛管理に集学的アプローチの採用を含むエビデンスに基づいたガイドラインに従って処方業務を改善するための介入は、疼痛を改善しながら患者の安全性を向上させることができる。これらの取り組みでは、オピオイド処方の調剤率が高い女性と高齢者における独特のニーズを考慮する必要があるかもしれない。

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