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MMWR抄訳

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2020/02/28Vol. 69 / No. 8

MMWR69(8):207-211
Fatal Case of Legionnaires’ Disease After Home Exposure to Legionella pneumophila Serogroup 3 — Wisconsin, 2018

Legionella pneumophila血清群3への家庭内感染後におけるレジオネラ症の死亡例 ― ウィスコンシン州、2018年

2018年1月、Wisconsin Department of Health Services, Division of Public Healthに培養検査によるレジオネラ症確診例が報告された。この症例はウィスコンシン州在住の70歳代、非喫煙者であり、2016年に日和見感染症を2回発症し、原因不明の複合免疫不全症と診断されていた。症例は膿瘍を伴う下肢蜂窩織炎の治療として非経口抗生物質の投与後に経口抗生物質(レボフロキサシン)が30日間処方されており、経口抗生物質の投与期間の終了間近に発疹および発熱が発現し、1日早く服用を中止していた。救急外来にて経口抗生物質に対する反応が疑われる発疹および発熱と診察された後、地元の病院に入院となった(day0)。入院時に家族から、本症例は最近、精神状態に変化があり、乾性咳嗽や息切れを訴えていたことが告げられた。喀痰の呼吸器系ウイルス検査にてライノウイルスとパラインフルエンザ1を検出したが、胸部X線所見は正常であった。入院後も発熱は持続し、精神状態は悪化、day5には暗褐色の喀痰が混ざる湿性咳嗽となり、胸部X線検査では新たに右上葉部の透過性は低下した。院内感染肺炎によると考えられる敗血性ショックを来し、ICUに転室となった。アズトレオナムとバンコマイシンの投与を開始し、アズトレオナムはその日のうちにメロペネムに変更された。day6にLegionella pneumophila血清型1の尿抗原検査およびレジオネラの気管支肺胞洗浄(BAL)培養検査が行われ、尿抗原検査は陰性であった。day7にトブラマイシン吸入を開始し、day8にバンコマイシンおよびトブラマイシンを中止したが、day10に敗血性ショックによる心肺停止により死亡した。day16にWisconsin State Laboratory of HygieneはBAL培養からL. pneumophilaを検出、血清型は3と判定された。病院内で患者が感染したと考えられる水源(入院および外来患者用のシンクの水栓、製氷機、シャワー、温水プール)の検体(40検体)はすべてレジオネラ菌陰性であったため、day26に家族の希望により、病院職員は症例の住居にある2つのシャワーから検体を採集し培養した。結果、両方ともL. pneumophila陽性を示した。day52から配管工による排水、塩素洗浄、給湯器の加熱(64.4℃)、器具の導水処理を3日間かけて行い、シャワーヘッドも酢に浸し湯垢を除去したが、day62に採取した検体のうち浴室の水栓と台所の蛇口はL. pneumophila陽性を示し、住居の水系に菌が残存すると考えられた。給水システム内でのレジオネラの増殖を防ぐための対策を説明し、居住者に呼吸器症状が発現した場合は受診することを勧めた。day62に採取した検体は、CDCにて全ゲノム遺伝子配列タイピング分析が行われ、day114にL. pneumophila血清型3、配列型93と同定された。

References

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