一般財団法人 国際医学情報センター 信頼できる医学・薬学・医療情報を適切に提供することによって健康社会に貢献します。

一般財団法人 国際医学情報センター

IMICライブラリ IMIC Library

ホームIMICライブラリMMWR抄訳2020年(Vol.69)2019-2020年シーズンインフルエンザワクチン・・・

MMWR抄訳

rss

2020/02/21Vol. 69 / No. 7

MMWR69(7):177-182
Interim Estimates of 2019–20 Seasonal Influenza Vaccine Effectiveness — United States, February 2020

2019-2020年シーズンインフルエンザワクチンの有効性に関する中間評価 ― アメリカ、2020年2月

2019-2020年のインフルエンザシーズン中、2019年11月9日が週末にあたる週にインフルエンザ様疾患(ILI)活動性は初めて国の基準値を超え、2009年のインフルエンザA(H1N1)パンデミック以降では、最も早いインフルエンザシーズン開始を示した。2020年2月中旬時点で、活動性は上昇し続けている。アメリカでは、生後6カ月以降のすべての人に対し、季節性インフルエンザに対する毎年の予防接種を推奨している。CDCは、急性呼吸器疾患(ARI)に関連する確定診断されたインフルエンザの予防において、季節性インフルエンザワクチンの有効性を推定している。今回の中間報告では、2019年10月23日~2020年1月25日にU.S. Influenza Vaccine Effectiveness Networkに登録された小児および成人の計4,112例のデータを使用した。4,112例のARI患者のうち、リアルタイムRT-PCR法によるインフルエンザウイルス感染陽性は1,060例(26%)であった。内訳はインフルエンザB型ウイルスが691例(17%)、A型ウイルスが374例(9%)であり、5例はインフルエンザA型とB型ともに陽性であった。系統情報が明らかな673例のインフルエンザBウイルスのうち、670例(99%超)はB/Victoria系統、3例(1%)はB/Yamagata系統であった。335例のインフルエンザAウイルスのサブタイプは、326例(97%)がA(H1N1)pdm09ウイルスであり、A(H3N2)ウイルスは11例(3%)のみであった。インフルエンザ陽性者のうち2019-20シーズンインフルエンザワクチンを接種していたのは37%であったのに対し、インフルエンザ陰性者で接種していたのは55%であった。全体でのインフルエンザウイルスに対するワクチン有効性(VE)は45%であり、イン​​フルエンザB/Victoria系統に対するVEは50%、インフルエンザA(H1N1)pdm09に対するVEは37%と推定され、これまでのところ今シーズンのインフルエンザによる受診は大幅に減少した。生後6カ月~17歳の小児および青少年におけるインフルエンザAおよびBウイルスに対するVEは高く(55%)、18~49歳のインフルエンザA(H1N1)pdm09に対するVEは低かった(5%)。暫定的なVE推定値は前シーズンと一致し、インフルエンザワクチンが流行ウイルスに抗原的に適合した場合、40%~60%と推定された。インフルエンザ活動性が継続しているため、CDCでは、生後6カ月以上の人に対するインフルエンザワクチン接種を推奨している。ワクチンは、現在流行しているインフルエンザウイルスと同様に、シーズン後半に流行する可能性のある他のインフルエンザウイルスに対しても、関連疾患、入院、死亡を予防することができる。

References

  • Grohskopf LA, Alyanak E, Broder KR, Walter EB, Fry AM, Jernigan DB. Prevention and control of seasonal influenza with vaccines: recommendations of the Advisory Committee on Immunization Practices—United States, 2019–20 influenza season. MMWR Recomm Rep 2019;68(No. RR-3). <https://doi.org/10.15585/mmwr.rr6803a1>
  • Jackson ML, Chung JR, Jackson LA, et al. Influenza vaccine effectiveness in the United States during the 2015–2016 season. N Engl J Med 2017;377:534–43. <https://doi.org/10.1056/NEJMoa1700153>
  • Owusu D, Hand J, Tenforde MW, et al. Early season pediatric influenza B/Victoria virus infections associated with a recently emerged virus subclade—Louisiana, 2019. MMWR Morb Mortal Wkly Rep 2020;69:40–3. <https://doi.org/10.15585/mmwr.mm6902e1>
  • Doyle JD, Campbell AP. Pediatric influenza and illness severity: what is known and what questions remain? Curr Opin Pediatr 2019;31:119–26. <https://doi.org/10.1097/MOP.0000000000000721>
  • Tran D, Vaudry W, Moore D, et al.; members of the Canadian Immunization Monitoring Program Active. Hospitalization for influenza A versus B. Pediatrics 2016;138:e20154643. <https://doi.org/10.1542/peds.2015-4643>
  • Belongia EA, Simpson MD, King JP, et al. Variable influenza vaccine effectiveness by subtype: a systematic review and meta-analysis of test-negative design studies. Lancet Infect Dis 2016;16:942–51. <https://doi.org/10.1016/S1473-3099(16)00129-8>
  • Xu X, Blanton L, Elal AI, et al. Update: influenza activity in the United States during the 2018–19 season and composition of the 2019–20 influenza vaccine. MMWR Morb Mortal Wkly Rep 2019;68:548–51. <https://doi.org/10.15585/mmwr.mm6824a3>
  • Doyle JD, Chung JR, Kim SS, et al. Interim estimates of 2018–19 seasonal influenza vaccine effectiveness—United States, February 2019. MMWR Morb Mortal Wkly Rep 2019;68:135–9. <https://doi.org/10.15585/mmwr.mm6806a2>
  • Chung JR, Rolfes MA, Flannery B, et al. Effects of influenza vaccination in the United States during the 2018–2019 influenza season. Clin Infect Dis 2020;69:ciz1244. <https://doi.org/10.1093/cid/ciz1244>
  • De Serres G, Skowronski DM, Wu XW, Ambrose CS. The test-negative design: validity, accuracy and precision of vaccine efficacy estimates compared to the gold standard of randomised placebo-controlled clinical trials. Euro Surveill 2013;18:20585. <https://doi.org/10.2807/1560-7917.ES2013.18.37.20585>

ページトップへ

一般財団法人 国際医学情報センター

〒160-0016 
東京都新宿区信濃町35番地 信濃町煉瓦館
TEL:03-5361-7080 (総務課)

WEBからのお問い合わせ

財団や各種サービスについてのお問い合わせ、お見積もりのご依頼、
サービスへのお申し込みはこちらをご覧ください。

お問い合わせ