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MMWR抄訳

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2020/02/14Vol. 69 / No. 6

MMWR69(6):155-160
State Medicaid Coverage for Tobacco Cessation Treatments and Barriers to Accessing Treatments — United States, 2008–2018

禁煙治療に対する州のメディケイド保障範囲と受療への障害 ― アメリカ、2008年~2018年

メディケイドに加入している成人における現在の喫煙率は23.9%であり、民間医療保険加入している成人(10.5%)の約2倍となっており、メディケイドは喫煙関連疾患の治療に対し年間約390億ドルを支払っている。禁煙治療をメディケイドの保障範囲とし、受療に対する障害を取り除くことにより、喫煙、喫煙関連疾患および喫煙による国および州の医療費を削減しうると考えられる。喫煙者の禁煙の補助として、個人およびグループカウンセリング、およびFDAが承認する7種の薬剤が有効であり、州のメディケイドプログラムによるこれら9つの禁煙治療の保障範囲について、American Lung Associationは2008年12月31日~2018年12月31日における各州のデータおよび対象となる受療への障害に関するデータを収集し分析した。2008年12月31日時点では全メディケイド加入者に対し、これらの禁煙治療のうちいずれかを保障範囲としているのは46州およびワシントンDCであったが、2018年12月31日時点では、50州すべてとワシントンDCが保障範囲としており、ケンタッキー州およびミズーリ州は受療に対する障害をすべて取り除いている。また、全メディケイド加入者に対し9つの禁煙治療すべてを保障範囲とする州は2008年12月31日時点では6州、2018年12月31日時点では15州(カリフォルニア州、コロラド州、コネチカット州、インディアナ州、カンザス州、ケンタッキー州、メイン州、マサチューセッツ州、ミネソタ州、ミズーリ州、オハイオ州、オレゴン州、ロードアイランド州、サウスカロライナ州、ウィスコンシン州)であった。ネブラスカ州およびペンシルベニア州では2008年には9つの禁煙治療をすべて保障範囲としていたが、2018年には廃止している。個人およびグループカウンセリングは2008年が13州、2018年が16州、禁煙治療薬は2008年が20州、2018年が36州にて保障範囲としている。この期間中、禁煙治療に自己負担を必要としない州は10州から28州へ増加した。また、受療に対する障害として、治療期間の制限(44州、86%)、禁煙試行の年間制限(37州、72%)、許可要件(35州、69%)などが挙げられている。

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