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MMWR抄訳

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2020/02/07Vol. 69 / No. 5

MMWR69(5):125-129
Carfentanil Outbreak — Florida, 2016–2017

カルフェンタニルのアウトブレイク ― フロリダ州、2016年~2017年

違法に製造されたフェンタニルおよびフェンタニル類似体使用の増加は、アメリカの過剰摂取による死亡に大きく関与している。2015年10月26日に、CDCは、フェンタニルが関与する死亡の急激な増加に関するHealth Advisoryを発行した。カルフェンタニルはモルヒネの10,000倍、フェンタニルの100倍強力であると報告されている類似体で、この薬剤が関与する死亡は、2016年にフロリダ州、ミシガン州、オハイオ州で初めて報告され、2016年8月のCDCのHealth Advisoryに記載された。カルフェンタニルは、動物用医薬品として大型動物を迅速に鎮静するために使用されており、アメリカではヒトの治療使用として承認されていない。カルフェンタニルの1回投与量あたりの実売価格は、ヘロインよりも安い傾向にある。2016年から2017年にかけて、フロリダ州でカルフェンタニルが関与する致死的な過剰摂取のアウトブレイクが発生し、サラソタ郡、マナティー郡、デソト郡(サラソタ地域)がアウトブレイクの中心地であった。今回、2016年1月から2017年12月までのフロリダ州サラソタ地域におけるカルフェンタニルが関与した致死的過剰摂取(カルフェンタニルによる死亡)の毒性プロファイル、社会人口学的情報、地理的分布を他地域(サラソタ地域を除くすべてのフロリダの郡)と比較して述べた。フロリダ州では、2016年~2017年に1,181名がカルフェンタニルの過剰摂取により死亡し、アメリカ国勢調査局によるとサラソタ地域はフロリダ州人口の4.0%しかいないが、224名(19.0%)の死亡は、この地域で発生した。サラソタ地域のアウトブレイクは2016年6月に4名のカルフェンタニルによる死亡から始まり、7月のピーク時には37名が死亡し、その月のオピオイド過剰摂取による死亡の82.2%、2016年のすべてのオピオイド過剰摂取による死亡の50%を占めた。サラソタ地域のカルフェンタニルによる死亡は2016年の年末までに大幅に減少したが、2017年1月から再び増加し、2017年7月まで増加し続けた(死亡110名、2017年のすべてのオピオイド過剰摂取による死亡の54%)。2017年8月から12月にかけてのカルフェンタニルによる死亡報告は1名のみで、この地域でのアウトブレイクの終息を示すと思われた。2016年~2017年のサラソタ地域におけるカルフェンタニル関連死亡者の35.3%が25~34歳、大半が白人(89.7%)および男性(74.6%)であった。2017年では、サラソタ地域でのカルフェンタニルによる死亡の32%が女性で発生したが、フロリダ州の残りの地域ではカルフェンタニルによる女性の死亡は22%であった。2016年から2017年にかけて、カルフェンタニルの死亡は男性では約18%減少したのに対し(92名 vs. 75名)、女性では約59%増加した(22名 vs. 35名)。このように急速で集中的な致死的過剰摂取のアウトブレイクの脅威は、公衆衛生機関および安全機構による的を絞った予防および対応の取り組みを支援するために、報告の迅速化、信頼性の高いデータ共有システム、新規の積極的なサーベイランスの必要性を強調している。

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