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MMWR抄訳

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2019/10/25Vol. 68 / No. 42

MMWR68(42):947-952
Proficiency Testing of Viral Marker Screening in African Blood Centers — Seven African Countries, 2017

アフリカの血液センターにおけるウイルスマーカースクリーニング検査の熟達度試験 ― アフリカ7カ国、2017年

アフリカの血液センターの研究所での輸血感染性ウイルスの血清学的検査の正確度を評価する2014年のレポートでは、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、B型肝炎ウイルス(HBV)、C型肝炎(HCV)の感染を検出するための感度がそれぞれ92%、87%、90%であることが報告された。国立輸血業務(NBTS)研究室への多額の投資に続き、2017年には、アフリカ7カ国(ガーナ、ケニア、マラウィ、モザンビーク、ナイジェリア、ルワンダ、タンザニア)における84カ所の血液センター研究室(NBTS:29カ所、非NBTS:55カ所)で、輸血感染性ウイルス血清学的検査の習熟度が試験された。迅速診断検査(RDT)と第3世代および第4世代の酵素免疫測定法(EIA-3およびEIA-4)に基づく通常のプロトコルで試験するために、25の血漿検体の盲検パネルが各参加研究室に送付された。各パネルには7つの陰性コントロール、HIV抗原と抗HIV抗体を含む7つの検体(6つのHIV-1と1つのHIV-2)(HIV陽性検体)、B型肝炎表面抗原を含む6つの検体(中和アッセイで確認され、定量化)(HBV陽性検体)、HCV RNAと抗HCV抗体を含む5つの検体(HCV陽性検体)が含まれていた。感度と特異度はseparate回帰モデルを使用して推定され、アッセイタイプとNBTS研究室ステータス(NBTS vs. 非NBTS)により調整された。未調整の平均感度は、HIV陽性検出97%、HBV陽性検出76%、HCV陽性検出80%であった。7カ国すべてでHIV陽性検出の感度が90%を超えたが、HBV陽性検体の特定に関するこのレベルの感度は、ケニアとルワンダでのみ達成され、HCV陽性検体については、ケニア、モザンビーク、ルワンダのみで達成された。NBTS研究室では、それぞれのターゲットウイルスに対する3つのアッセイの感度はすべて92%を超えたが、非NBTS研究室では、HBV陽性に対する感度は66%、HCV陽性に対する感度は74%であった。多変量モデルでは、EIA-3を使用した場合の調整された感度は一様に96%を超えたが、EIA-4のHCV陽性感度は<85%、RDTアッセイのHBVおよびHCV陽性感度は<71%であった。研究室およびアッセイタイプにかかわらず、HIV陽性の検出感度は≧95%であった。未調整の平均検査特異度は、HIV陰性検体では95%、HBV陰性検体では96%、HCV陰性検体では95%であった。多変量モデルに基づいて調整した推定値により、ターゲットとするアッセイの特異度はアッセイタイプおよびNBTSステータスにより異なることが示された。HIV検査の習熟度は国際投資を受けて改善されたが、HBVおよびHCV検査の習熟度は依然として次善のままである。サハラ以南のアフリカの血液センターでは、HBVおよびHCVのスクリーニングに使用される迅速検査の質を改善するか、EIA-3検査を選択して迅速検査の使用を抑制する必要がある。

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