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MMWR抄訳

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2019/07/26Vol. 68 / No. 29

MMWR68(29):642-646
Progress Toward Poliomyelitis Eradication — Nigeria, January 2018–May 2019

ポリオ根絶への進展 ― ナイジェリア、2018年1月~2019年5月

ナイジェリアにおける野生型ポリオウイルス(WPV)症例数は2006年の1,122例から2014年には1型WPV(WPV1)の6例に減少し、2014年8月~2016年7月は認められず、2016年8~9月にボルノ州で4例報告された。ナイジェリア北東部では2009年に暴力的反乱が起こり、180万人が国内避難民となり、2016年まで、ボルノ州では5歳未満の幼児の推定468,800人が予防接種や調査活動を含む医療サービスを受けられなかった。2016年中頃、軍事活動により孤立した家族がキャンプへ移動し、そこでWPV1症例が4例発生した。2016年8月~2017年12月に経口ポリオウイルスワクチン(OPV)キャンペーンが強化され、2016年10月以降、WPVは検出されていない。反乱が発生している地域では治安部隊により予防接種活動が行われているが、6万人の小児が未接種のままであり、2016年の調査では、3回目のポリオウイルスワクチン接種率は全国で33%、北部13州のうち7州では25%未満であった。ナイジェリアでは15歳未満の小児における非ポリオ急性弛緩性麻痺(NPAFP)率は1年に10万人あたり3例以上、急性弛緩性麻痺(AFP)症例の適切な便検体回収率は80%以上を目標として、ポリオサーベイランスをしている。全国の2018年のNPAFPの割合は9.6、適切な便検体回収率は95%、2019年5月31日の時点の2019年の年率換算では、各8.0および95%だが、ボルノ州では2018年が各24.5、85%、2019年が19.6、87%と年率換算されている。2018年1月~2019年5月、37州のうち25州(68%)の環境サーベイランスで採取された検体ではWPVは検出されず、伝播型ワクチン由来2型ポリオウイルス2型(cVDPV2)が85検体から検出された。cVDPV2アウトブレイクは2018年1月~2019年6月25日にて2回発生しており、ジガワ州では2018年4月15日~10月13日に4例が発症、その後、他の11州に拡大し、計41症例と71の下水検体が確認され、遺伝的に関連のあるウイルスがニジェール共和国のAFP患者11例(2018年7月18日~2019年4月3日発症)およびカメルーンで採取された下水1検体(2019年4月4日採取)から分離されている。ソコト州では2018年1月30日に採取された下水検体にてVDPV2が分離され、続けて3カ所にて遺伝的に関連のあるcVDPV2を検出、また、2019年3月18日にナイジャ州にて発症したAFP患者からも遺伝的に関連のあるcVDPV2が検出されている。2018年の予防接種活動は、ニ価OPV(bOPV)による全国的な追加予防接種活動(SIA)が2回、地方でのSIAは5州にて1回、bOPVおよび不活化ポリオウイルスワクチン(IPV)によるSIAが7州にて2回、2州にて3回実施された。2019年の予防接種活動は、bOPVによるSIAが7州で1回、bOPVおよびIPVによるSIAが2州にて2回行われている。2018年、Reaching Every SettlementおよびReaching Inaccessible Childrenの往診により、反乱が発生している地域の5歳未満の小児に対し、それぞれ79.8%、26.2%に3回以上のbOPVが接種された。今後、ナイジェリアにおけるcVDPV2伝播を防止するため、SIAの実施に続き、ワクチン接種キャンペーンの質を改善していく必要がある。

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