一般財団法人 国際医学情報センター 信頼できる医学・薬学・医療情報を適切に提供することによって健康社会に貢献します。

一般財団法人 国際医学情報センター

IMICライブラリ IMIC Library

ホームIMICライブラリMMWR抄訳2019年(Vol.68)薬物注射をする人に対するC型肝炎ウイルス感染の検査・・・

MMWR抄訳

rss

2019/07/26Vol. 68 / No. 29

MMWR68(29):637-641
Progress in Testing for and Treatment of Hepatitis C Virus Infection Among Persons Who Inject Drugs — Georgia, 2018

薬物注射をする人に対するC型肝炎ウイルス感染の検査および治療の進歩 ― ジョージア、2018年

2015年4月、C型肝炎ウイルス(HCV)感染症の有病率の高い(成人の5.4%、約15万人)ジョージア国は、世界初の国家による根絶プログラムに着手した。感染症の40%近くが注射薬物の使用によるものであり、現在、薬物注射をしている成人の推定2%に相当する。2006年以降、注射針および注射器プログラム(NSPs)では、薬物注射をする人に対しHCV抗体検査を行い、2015年以降、陽性例には国の治療プログラムを紹介している。今回、これらの試みの結果について報告する。2016年の時点でNSPsはジョージア国の13都市にて16回行われ、2017年~2018年にGlobal Fund to Fight AIDS, Tuberculosis and Malariaの援助を受け、さらにセンター施設2カ所と8つの可動ユニットが追加で使用可能となり、全国で約50/79の自治体をカバーしている。2006年~2018年、NSPsでは薬物注射をする人に対し118,943回のHCV抗体検査を実施し、そのうち48,228人(40.5%)が陽性であった。根絶プログラム実施前(2006年~2014年)の検査数は32,738件(年平均3,638件)であり、うち約半数(49.6%、16,247件)が陽性であった。根絶プログラム実施後(2015年~2018年)では、年間の平均検査数は21,551件と約500%増加し、この期間に検査された86,205件中31,981件(37.1%)が陽性であった。2015年~2018年の検査では男性(96.1%)、30~39歳(33.7%)が多く、陽性率は男性37.8%、女性24.0%であった。2017年、薬物注射をする人の臨床転帰を追跡するため、NSPsは対象者に国民識別番号(NIN)を任意で教えるように促した。2017年~2018年、NSPsによるHCV抗体陽性11,424例のうち2,780例(24.3%)がNINによって確認された。このうち、1,626例(58.5%)が活動性HCV感染症の診断検査を追加で受け、1,370例(84.3%)が活動性であった。このうち1,029例(75.1%)が治療を開始し、892例(86.7%)が治療を完遂した。持続性ウイルス反応検査が494例(55.4%)に行われ、482例(97.6%)で治癒した。以上、NSPsによるHCV抗体検査の実施数は5倍、検査陽性例は2倍増加し、NSPsによるHCV抗体検査がHCV感染者の特定に有効な戦略であることが示された。

References

  • Mitruka K, Tsertsvadze T, Butsashvili M, et al. Launch of a nationwide hepatitis C elimination program—Georgia, April 2015. MMWR Morb Mortal Wkly Rep 2015;64:753–7. <https://doi.org/10.15585/mmwr.mm6428a2>
  • Hagan LM, Kasradze A, Salyer SJ, et al. Hepatitis C prevalence and risk factors in Georgia, 2015: setting a baseline for elimination. BMC Public Health 2019;19(Suppl 3):480. <https://doi.org/10.1186/s12889-019-6784-3>
  • Stvilia K, Tsertsvadze T, Sharvadze L, et al. Prevalence of hepatitis C, HIV, and risk behaviors for blood-borne infections: a population-based survey of the adult population of T’bilisi, Republic of Georgia. J Urban Health 2006;83:289–98. <https://doi.org/10.1007/s11524-006-9032-y>
  • Bemoni Public Union; Curatio International Foundation. Population size estimation of people who inject drugs in Georgia 2016. Tblisi, Georgia: Curatio International Foundation; 2017. <http://curatiofoundation.org/wp-content/uploads/2018/02/PWID-PSE-Report-2017-ENG.pdf>
  • European Monitoring Centre for Drugs and Drug Addiction. Country overview, Georgia. Lisbon, Portugal: European Monitoring Centre for Drugs and Drug Addiction; 2015. <http://www.emcdda.europa.eu/publications/country-overviews/ge>
  • Georgia Ministry of Health, Labour and Social Affairs. National hepatitis C virus elimination progress report Georgia, 2015–2017. Tblisi, Georgia: Georgia Ministry of Health, Labour and Social Affairs; 2019. <https://www.moh.gov.ge/uploads/files/2019/Failebi/25.04.2019-1.pdf>

ページトップへ

一般財団法人 国際医学情報センター

〒160-0016 
東京都新宿区信濃町35番地 信濃町煉瓦館
TEL:03-5361-7080 (総務課)

WEBからのお問い合わせ

財団や各種サービスについてのお問い合わせ、お見積もりのご依頼、
サービスへのお申し込みはこちらをご覧ください。

お問い合わせ