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MMWR抄訳

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2019/07/05Vol. 68 / No. 26

MMWR68(26):583-586
Bacterial and Fungal Infections in Persons Who Inject Drugs — Western New York, 2017

薬物を注射する人の細菌および真菌感染症 ― ニューヨーク州西部、2017年

2014年~2017年、CDCのEmerging Infections Programのサーベイランスデータにて、薬物の注射による侵襲性メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)感染の発症が、ニューヨーク州西部のモンロー郡に住む18~49歳の人に倍増したと報告した。また、未発表のサーベイランスデータでは、モンロー郡でのすべてのカンジダ菌による血流感染症の増加、ニューヨーク州の15の郡で侵襲性A群溶血性レンサ球菌(GAS)感染症の増加も、薬物注射をする人にて発生していることを示している。さらに、全国6カ所のサーベイランスサイトでは、薬物を注射した人に発症した侵襲性MRSA感染症の割合は、侵襲性MRSA症例のうち2011年の4.1%から2016年では9.2%に増加した。これらの感染の種類と頻度をより理解し、予防機会を特定するために、CDCと公衆衛生の提携機関ではニューヨーク州西部にて薬物注射をする人たちの細菌および真菌感染の迅速検査を実施した。1,002例のうち、111例(11%)が過去12カ月間に薬物注射を使用していた。年齢中央値は32歳(18~68歳)、61%が女性で、皮膚および軟部組織感染症が82例(74%)、心内膜炎は16例(14%)であった。全体で79例(71%)が入院し、そのうち19例(24%)が30日以上入院した。4例(4%)の患者が退院前に死亡した。33例(30%)の患者は、医師の指示に反して退院した。臨床培養から同定された病原体を有する70例の患者のうち、13例(19%)が複数の菌に感染していた。最も多かった細菌性および真菌性の病原体は黄色ブドウ球菌(56例;80%)で、次いで8つのビリダンス型と2つのGASを含むレンサ球菌(11例;16%)、カンジダ(4例;6%)であった。最も多かった血液媒介病原体はC型肝炎ウイルスで、41例(37%)の患者が現在または過去にC型肝炎ウイルス感染を有していた。7例(6%)にHIV感染、4例(4%)にB型肝炎ウイルス感染があった。薬物使用経験のある黄色ブドウ球菌、カンジダ、またはGAS感染症の患者59例(53%)のうち、57例(97%)がオピオイドを使用し、投与経路は50例が注射、7例は不明であった。44例の入院患者のうち、22例(50%)がオピオイド使用障害により投薬補助治療を受けたのに対し、救急外来のみで治療された13例のうち1例のみ(8%)が投薬補助治療を受けた。培養によって同定された感染症(74%)を有するほとんどの患者は、物質使用と感染症または病原体の両方についての診断コードも持っていた。注射を継続する患者の日常ケアには、手指衛生、消毒されていない皮膚へ注射しないこと、また、再使用、唾液、土壌、水により汚染された器具を使用しないなどの助言も必要である。

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