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MMWR抄訳

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2019/05/24Vol. 68 / No. 20

MMWR68(20):458-462
Progress Toward Polio Eradication — Worldwide, January 2017–March 2019

ポリオ根絶へ向けた進展 ― 全世界、2017年1月~2019年3月

1988年にGlobal Polio Eradication Initiativeが開始されて以降、野生株ポリオウイルス(WPV)の伝播はアフガニスタン、ナイジェリア、パキスタンを除くすべての国で阻止されており、WPV2型(WPV2)は2015年に根絶が宣言された。WPV3型は、2012年以降は検出されていない。WPV2根絶の認定後、経口ポリオウイルスワクチンの(OPV)三価(tOPV;1型、2型、3型を含む)から二価(bOPV ;1型、3型を含む)への世界的な切り替えが2016年4月に完了した。今回、2017年1月1日~2019年3月31日のポリオ根絶に向けた全世界の進展を報告する。1歳以上の幼児に対する定期予防接種サービスを介したポリオウイルスワクチンの3回投与(Pol3;主にOPV)の世界的な推定予防接種率は、2017年(データが入手可能な最新の年)には88%であるが、全国的な予防接種率の推定値では、しばしば、相当数の地方における予防接種率の低さと追加予防接種活動(SIA)の質の低さが隠れている。流行性WPVが伝播している国での2017年の推定Pol3接種率は、アフガニスタン60%、ナイジェリア40%、パキスタン75%であった。全世界でのすべての2型を含むOPVワクチンの使用中止以降、伝播型ワクチン由来ポリオウイルス(cVDPV)2型(cVDPV 2)のアウトブレイクが確認されている国々では、一価OPV2型(mOPV2)ワクチンの使用の承認をWHO事務局長に求めてきた。2017年には、5900万回分のmOPV2がアウトブレイク対応に使用され(全OPVの3.2%)、2018年には1億700万回のmOPV2が使用された(6.5%)。2017年には、22例のWPV1型(WPV1)症例が報告され(アフガニスタン14例、パキスタン8例)、2018年には、33例のWPV1症例が確認された(アフガニスタン21例、パキスタン12例)。2015年以降、アフガニスタン、ナイジェリア、パキスタン以外の国ではWPV症例は確認されていない。ナイジェリアでは、2016年に最後のWPV1症例が報告された。2019年1月1日から3月31日の間では、12例のWPV1症例が確認された(アフガニスタン、パキスタンで各6例)。cVDPVによるポリオ症例の発生はまれであり、発生するのはOPVの接種率が低い地域で、ワクチンウイルスが神経毒性を回復した場合である。2017年1月から2019年3月では、9カ国でcVDPV感染が確認された。2カ国(インドネシアとパプアニューギニア)で別々のcVDPV1型の伝播が報告され、急性弛緩性麻痺(AFP)が27症例と環境サンプル陽性が7件であった。7カ国(コンゴ民主共和国、ケニア、モザンビーク、ニジェール、ナイジェリア、ソマリア、シリア)では、176例のAFP症例からの分離株と97件の環境サンプルから9種のcVDPV2が検出された。SIAが小児に行き届くこと、高リスクの移動民族に接触すること、サーベイランスパフォーマンスの変動は継続的な課題である。すべての小児に予防接種をし、アフガニスタンとパキスタン間における協調努力を強化するための革新的な努力は、ポリオ根絶の達成に役立つであろう。また、WPVの伝播を阻止するためには、あらゆる分野で地域に関連した戦略の実施を成功させることが不可欠である。

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