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MMWR抄訳

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2019/03/22Vol. 68 / No. 11

MMWR68(11):257-262
Tuberculosis — United States, 2018

結核 ― アメリカ、2018年

CDCのNational Tuberculosis Surveillance Systemに報告されたアメリカ50州とワシントンDCにおける2018年の暫定的な結核(TB)症例データをまとめて報告する。2018年、アメリカでは計9,029例の新規TB患者が報告され、罹患率は人口10万人あたり2.8であり、2017年から症例数は0.7%、罹患率は1.3%減少した。TB発症率は2014年から2018年にかけて年平均1.6%減少したが、2010年~2014年の年平均4.7%減少に比べて緩やかなペースであった。州別の罹患率は0.2(ワイオミング州)~8.5 (アラスカ州)で中央値は1.9であり、10州(アラスカ、カリフォルニア州、フロリダ州、ハワイ州、メリーランド州、マサチューセッツ州、ミネソタ州、ニュージャージー州、ニューヨーク州、テキサス州)とワシントンDCで全国値を上回り、過去20年間ではカリフォルニア州、フロリダ州、ニューヨーク州、テキサス州の4州での症例がアメリカで報告された症例の約半数を占めていた。症例数の約2/3(6,276例、69.5%)がアメリカ生まれではなく、2,662例(29.5%)がアメリカ生まれ、91例(1.0%)が国籍不明であり、2017年ではそれぞれ6,392(70.3%)、2,693(29.6%)、9(0.1%)であった。TB罹患率はアメリカ生まれではない人で10万人中14.2、アメリカ生まれの人で1.0であり、2017年に比べそれぞれ3.8%、1.8%の減少であった。2018年のアメリカ生まれではないTB罹患はアジア人で最も多く(10万人中25.4)、続いて、ハワイ先住民/太平洋諸国民(同:25.0)、非ヒスパニック系黒人(同:19.9)、ヒスパニック系(同:10.1)、アメリカインディアン/アラスカ先住民(同:5.2)の順に多く、非ヒスパニック系白人にて最も少なく(同:3.1)、2017年に比べヒスパニック系にて増加した。出生国別の症例数はメキシコ(1,195例、19.0%)、フィリピン(781例、12.4%)、インド(616例、9.8%)、ベトナム(503例、8.0%)、中国(374例、6.0%)にて多かった。アメリカ生まれの罹患率は、ハワイ先住民/太平洋諸国民(5.6)、アメリカインディアン/アラスカ先住民(4.0)、非ヒスパニック系黒人(2.6)、アジア人(1.9)、ヒスパニック系(1.5)、非ヒスパニック系白人(0.4)の順であり、2017年に比べ黒人では減少したが、他の人種/民族ではほぼ横ばいであった。また、4.1%の症例が診断前1年以内にホームレスを経験し、TB診断時に3.3%は矯正施設、1.6%は長期療養施設に入居していた。2017年に薬剤感受性試験が行われて結果がわかっている6,684例中128例(1.9%)が多剤耐性TBであり、うち110例(85.9%)はアメリカ生まれではなく、26例(20.3%)にTBの既往歴があった。以上、2018年のアメリカでのTB症例数および罹患率は今までに報告された中で最も低かったが、潜在的TB感染(LTBI)の検出および治療を大幅に増やさなければ、21世紀におけるTB撲滅目標(発症率:100万人あたり1例未満)に到達しないであろう。

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