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MMWR抄訳

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2019/01/25Vol. 68 / No. 3

MMWR68(3):72-75
Scurvy Outbreak Among South Sudanese Adolescents and Young Men — Kakuma Refugee Camp, Kenya, 2017–2018

南スーダンの思春期および若年の男性における壊血病アウトブレイク ― カクマ難民キャンプ、ケニア、2017年~2018年

ケニアのトゥルカナ地区にあるカクマ難民キャンプには食糧支援を受けるソマリアや南スーダンから主にきた難民148,000人が生活している。2017年8月、南スーダンの思春期および若年男性難民がふくらはぎの痛み、胸痛および歯茎の腫れのためキャンプ内の診療所を受診、症状が非特異的であったため診断がつかず、抗生物質や鎮痛薬が投与されたが、症状は改善せず、その後数カ月、同様の症状を示す若者が報告された。2018年1月20日、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)に伝えられ、臨床的調査が行われた。症状は下肢の痛みと腫れ、嗜眠、疲労、歯茎の腫れと痛み、角質化皮膚変化、胸痛などであり、これらの症状から微量栄養素欠乏症、とくにビタミンC欠乏(壊血病)の可能性が示唆され、アウトブレイクの調査が行われた。2018年1月26日に壊血病が疑われる3例から採取した血清中のビタミンC濃度は2.89 mg/L、3.06 mg/L、2.71mg/L(正常値:2~14mg/L)であり、ビタミンB1、B2、B6、B12はいずれも正常値であった。ビタミンC濃度は低~正常値であったが、臨床症状から壊血病が疑われ、2018年2月、UNHCRはCDCに支援を依頼し、2018年3月11~17日、CDCとUNHCRの専門家2名による調査が開始された。その結果、45名に壊血病が疑われた。発症時期は29名(66%)が2017年8月~11月であり、45名全員が2012年~2017年に南スーダンからカクマキャンプに到着していた。年齢中央値は19(12~32)歳、約58%に下肢の腫脹、53%に踵の腫脹、42%に下肢痛があり、7~10名は歩行不能であった。全員が1日1食であり、43名はキャンプに到着後、野菜、果物、じゃがいもなどを買ったことがなかった。ビタミンCが45名中40名に投与され、全員が1週間以内に症状の改善を示した。このアウトブレイクを受けて、2018年4月、国連世界食糧計画(WFP)が栄養強化型のコーン・ソイ・ブレンド(CSB+)中のビタミンC量を検査した結果、CSB+は100g中にビタミンCが90mg含まれていた。難民1人あたりに支給されたCSB+は1日40g(ビタミンC換算36mg)であり、調理後のビタミンC摂取量は6mg未満となり、欠乏症を防ぐには十分な量ではなかった。以上、思春期および若年男性に対し、十分なカロリーと微量栄養素を提供するに足る食料または金銭的支援の必要性が示唆された。

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