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MMWR抄訳

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2018/12/21Vol. 67 / No. 50

MMWR67(50):1388-1391
Rabies in a Dog Imported from Egypt — Connecticut, 2017

エジプトから持ち込まれたイヌの狂犬病 ― コネチカット州、2017年

アメリカでは2007年、イヌ狂犬病ウイルス変異体の根絶に成功しているが、世界的には依然としてイヌはヒトへの狂犬病の感染源であり、2007年以降、アメリカでは入国した犬によるイヌ狂犬病ウイルス変異体による感染例が3例報告されている(出発地はインド(2007年)、イラク(2008年)、エジプト(2015年)。今回、2017年12月20日、エジプトのカイロからニューヨーク市のジョン・F・ケネディ国際空港に4匹の保護犬(イヌA~D)が到着し、コネチカット州、メリーランド州およびバージニア州の里親の家庭に引き取られた。また後から1匹(イヌE)が別便で到着し、ニュージャージー州およびウエストバージニア州で一時的に飼育され、ワシントン州の里親に引き取られた。4匹のうちの1匹(イヌA:6カ月齢、オス、チワワのミックス犬)がエジプトで飛行機に乗る前、激しく興奮し、同行者に噛み付いた。このイヌは2017年秋に車に撥ねられ、歯を骨折し上顎骨が露出していた。その後、知覚過敏と不全麻痺を示し、12月21日、コネチカット州の動物病院を受診、採血時に動物看護士に噛みつき、その後まもなく死亡した。狂犬病の検査のため、Connecticut Department of Public Health Laboratory(CDPHL)にて脳の組織を検査した結果、26日、狂犬病ウイルス感染が確認された。CDPHLからの通知を受け、CDCのNew York Quarantine Stationは潜伏期間中(発症10日前~死亡時まで、12月9日~21日)にイヌAに接触した可能性のある動物および人の調査を開始した。イヌB、C、DおよびEは輸送中クレートに入っていたため、イヌAとの直接的な接触はなかった。また、5匹はすべてアメリカ入国時に義務づけられている3カ月以上および30日以上前に狂犬病ワクチンを接種した証明書があったが、イヌAの感染により5匹の狂犬病予防接種証明書の信頼性に疑念がでた。輸送前のエジプトでの状況が不明であるため、Maryland Department of HealthはイヌBおよびCを4カ月間、Virginia Department of HealthおよびWashington State Department of HealthはイヌDおよびEを30日間隔離した。イヌの輸送業者、里親ボランティアはイヌAと直接接触していないため、曝露後予防(PEP)は推奨されず、イヌAに噛まれた同行者、世話をした人および噛まれた動物看護士にはPEPが推奨され、また、航空会社の貨物スタッフ、国境警備局(CBP)職員は手袋をしており、イヌに直接触れておらず、PEPは推奨されなかった。以上、イヌ狂犬病ウイルス変異体の再輸入を避けるには、入国時の警戒および国内のサーベイランスの強化とともに高いワクチン接種率を維持することが重要である。

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