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MMWR抄訳

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2018/08/31Vol. 67 / No. 34

MMWR67(34):958-961
Cholera Outbreak in Dadaab Refugee Camp, Kenya — November 2015–June 2016

ケニア、ダダーブ難民キャンプにおけるコレラのアウトブレイク ― 2015年11月~2016年6月

ケニア、ガリッサ郡のダダーブには難民キャンプが5カ所(ダガハレ、ハガデラ、イフォ、イフォ2、カンビオス)設営されており、34万人近くの難民が収容されている。2015年11月18日、19日、全国的なコレラアウトブレイクの間にキャンプの難民2人を対象に急性水様性下痢(24時間以内に3回以上の排便)の調査が行われ、両者の検体からオガワ型O1コレラ菌が検出された。その後1週間の間にさらに45例が急性水様性下痢を来し、2016年6月6日までにキャンプ収容難民348,781人において、計1,797例のコレラ患者(疑い例:1,548例、確診例:249例)が報告された。うち20例はキャンプの地域住民のため除外し、1,777例について分析を行った。症例は男性が904例(51%)、発病率は1,000人あたり5.1、年齢別発病率は2~4歳が16.9歳、5~14歳が5.0、15~24歳が3.4、25歳以上が3.9であり、死亡例は14例、致死率0.79%であった。11月18日、19日に2例が確認された後、ハガデラ(発病率:8.0、ピーク:12月18日~27日)、ダガハレ(発病率:7.7、ピーク:11月28日~12月7日)、カンビオス(発病率:5.3、ピーク:12月28日~1月6日)にて急速に拡大、これら3キャンプの252の居住区のうち195居住区(77%)にて発病を認めた。イフォ(発病率:0.6)、イフォ2(同:1.7)では症例数が少なく、居住区の10~30%にて少なくとも1例に発病を認めた。2015年12月、ケニア保健省はダガハレおよびハガデラキャンプにて症例対照試験を実施し、リスク因子を検討した(症例:32例、対照:64例)。その結果、1)住居内に便やゴミがある、2)共同トイレを使用または屋外排泄、3)雨水たまりで泳ぐ、4)共有の皿で食物をシェアする、5)下痢をしている人と同じトイレを使用などが疑われ、多変量解析で住居内に便やゴミがある中で生活、屋外排泄、共有の皿で食物をシェアする、に有意差を認めた。2016年1月後半にはアウトブレイクの勢いは弱まり、CDCと国連難民高等弁務官によりアウトブレイクコントロールに関する調査が行われた。残留塩素濃度は様々な水源にて標準値を下回り、共同トイレ1カ所あたりの使用人数は難民キャンプの国際基準を大きく上回っていた(基準:20人、実際:60人以上)。さらに配置されていた公衆衛生従事者の数も少なかった(国際的な推奨基準:500人に1人、実際:約2,000人に1人)。オガワ型O1コレラ菌は791検体中312検体(39%)にて検出された。これらはすべてテトラサイクリン、セフトリアキソン、コトリモキサゾール、ゲンタマイシンおよびクロラムフェニコールに感受性があり、シプロフロキサシン感受性は97%であった。エリスロマイシン感受性は中等度、フラゾリドン、ナリジクス酸には耐性を示した。以上、難民キャンプにおける水および衛生状態の改善の必要性が示唆され、キャンプおよび周辺地域の安全確保と疾患サーベイランスも急ぎ必要である。

References

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