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MMWR抄訳

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2018/08/24Vol. 67 / No. 33

MMWR67(33):931-934
Coccidioidomycosis Outbreak Among Workers Constructing a Solar Power Farm — Monterey County, California, 2016–2017

ソーラーパワーファームを建設する作業員のコクシジオイデス症アウトブレイク ― カリフォルニア州モントレー郡、2016年~2017年

2017年1月、2つの地方保健局はカリフォルニア州公衆衛生局(CDPH)に、モントレー郡南東部の太陽光発電設備(ソーラーファーム)を建設する作業員の中で、コクシジオイデス症が3例発生したことを通知した。コクシジオイデス症(渓谷熱)は、土壌中の真菌Coccidioidesを吸入することによって引き起こされる感染症で、カリフォルニア州を含む米国南西部の風土病である。コクシジオイデス症は1~3週間の潜伏期間後にインフルエンザ様症状または肺炎を引き起こすことが最も多いが、まれに重篤な播種性疾患または死亡に至ることがある。Coccidioides属が生息する地域の居住者、労働者、旅行者は真菌胞子を吸入する可能性があり、特に、表層土の攪拌作業に従事している労働者は危険にさらされる。 CDPHは、これまでに2011年に開始したソーラーファーム建設作業員での1件のアウトブレイクを調査し、労働者教育、粉塵抑制、個人保護装置の使用などを含む感染リスクの低減に関する勧告を行ってきた。 現在のアウトブレイクでは、CDPHはモンテレー郡およびサンルイスオビスポ郡の公衆衛生部と共同で調査を実施し、2,410名のソーラーファーム作業員のうち、検査室で確認された9例のコクシジオイデス症例を特定した。確認された9例の年齢の中央値は42歳(四分位範囲:31~46歳)、7例は男性で、カリフォルニア州の4つの郡(フレズノ、マデラ、モントレー、サンルイスオビスポ)に居住していた。 6例がコクシジオイデス症肺炎の診断を受け、5例が救急部を1~4回受診した。 1例は入院したが、死亡例はなかった。 インタビューした8例のうち、7例が疾患による欠勤(中央値14日、1~320日)を報告した。 9例の患者は2016年8月~12月に発症し、 すべての患者が屋外で働いていた。 インタビューした8人の患者全員が頻繁な(毎日または週に1回)高い塵埃レベルを報告した。 7例は渓谷熱についての安全訓練を受けていると報告したが、症状があった場合の対処を知っていたのは3例のみで、その後の訓練資料のレビューでは不備が確認された。この事業所におけるソーラーファームの作業員の年間のコクシジオイデス症の発生率は10万人/年あたり1,095人であった。 一方、モントレー郡の2016年の発生率は人口10万人あたり17.5であり、罹患率比は62.6に相当する。 作業現場周囲の5つの郡(フレズノ、カーン、キングス、サン・ベニート、サンルイスオビスポ)と比較した罹患率比も4.4~210.6で、従業員間のコクシジオイデス症の発生率が周辺郡のバックグラウンド発生率よりも有意に高いことを示している。2017年7月26日、CDPHは、ソーラーファームの所有者および作業現場に関連するすべての雇用主および組合代表者に疾患の予防のための暫定的な推奨を提供した。2017年11月、CDPHは2018年末まで継続する予定の第2期工期の開始前に、正式な調査結果と予防勧告を発表した。雇用主はCoccidioides属が生息する地域での粉塵曝露から労働者を保護するための措置を講じるべきであり、労働者をコクシジオイデス症に曝す可能性のある提案された建設の見直しに公衆衛生実務者の関与が必要である。また、臨床医は、屋外で働き臨床的に適合する疾患の患者においては、コクシジオイデス症を疑うべきである。

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