ホームIMICライブラリMMWR抄訳2018年(Vol.67)農村地域における家畜肥料への曝露に関連する大腸菌O・・・
2018/06/15Vol. 67 / No. 23
MMWR67(23):659-662
Outbreak of E. coli O157:H7 Infections Associated with Exposure to Animal Manure in a Rural Community — Arizona and Utah, June–July 2017
2017年6月26日、ユタ州南部の病院が、アリゾナ州とユタ州の境界線にある小規模地域において小児2例の滋賀毒素産生大腸菌(STEC)O157:H7感染をユタ州の保健部門に報告した。 2例とも、溶血性貧血、急性腎不全、血小板減少を特徴とする溶血性尿毒症症候群を発症し、発病から数日以内に死亡した。 数日後、コミュニティー住民において複数のSTECに関連した疾患が報告され、 アリゾナ州とユタ州の地域および州の保健機関とCDCの共同調査による、発生源の特定および追加症例の予防が開始された。死亡した2例の小児を含め、8世帯から12例の症例が同定され、5例は二次感染に分類された。 12例の患者の発症日は、2017年6月10日から7月9日の間で、患者の年齢中央値は3歳(1~28歳)、11例は6歳以下、女性は5例であった。 9例の患者が入院し、4例が溶血性尿毒症症候群を発症し、2例が死亡した。すべての患者またはその保護者に対し、疾患が発症する前の1週間に、食べた食品、食物源の場所、旅行、レクリエーション水の曝露、飲料水源、動物の接触に関する質問を含むhypothesis-generating質問票を使用してインタビューした。また、一次感染の小児患者と年齢がマッチした健常小児による症例対象研究を実施した。症例6例のうち4例と対照16例のうち3例が、家畜肥料がある区域で遊んでいると報告された。接触者追跡から、8世帯全員の友人関係、仕事上の関係、家族関係を特定した。 疾患の発症日は、仮定された人から人への接触と一致していた。 死亡した2例の患者を含む最も早期に発症した3例の患者(患者A、B、C)は、約40人から成る同じ複数家族の世帯に住んでいた。 2例目の患者が死亡した後に、家から自発的に退去し、多くの人がコミュニティー内を移動した。 家畜肥料との接触が、当初の疾患の原因と仮定され、その後、二次的な人から人への伝達を介してさらに拡散したと考えられた。STECは食品または環境検体のいずれからも単離されなかったが、11例の患者検体および3件の家畜肥料検体(2頭の馬および1頭の雄牛)から単離された。すべての分離株は、遺伝的に高度に関連していた。この複数の管轄区域での調査は、緊急指令構造によって容易になった国、州、地方機関間の日常的な協力によって実施された。 公的なコミュニケーションと教育資料は、南西ユタ州公衆衛生局によって開発され、地域社会の一員である公衆衛生看護師を含む調査パートナーによって配布された。 教育情報は、家畜に関する衛生、安全な調理、胃腸症状に対する警戒強化、二次感染の予防に焦点を当てた。 調査の終了以降、このコミュニティーからのアウトブレイク株による追加のSTEC症例は報告されていない。反芻動物が家の近くに置かれているコミュニティーでは、家畜または家畜糞尿への接触はSTEC O157:H7の潜在的な発生源と考えられるべきである。
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