ホームIMICライブラリMMWR抄訳2018年(Vol.67)最新情報:アメリカにおける2017-18年シーズン・・・
2018/06/08Vol. 67 / No. 22
MMWR67(22):634-642
Update: Influenza Activity in the United States During the 2017–18 Season and Composition of the 2018–19 Influenza Vaccine
2017-18年シーズン(2017年10月1日~2018年5月19日)におけるインフルエンザ活性および推奨される2018-19年北半球インフルエンザワクチン組成を報告する。この期間、アメリカ(50州、プエルトリコ、ワシントンDC)の臨床検査室では1,210,053検体が検査され、224,113検体(18.5%)がインフルエンザ陽性であり[A型:151,413検体(67.6%)、B型:72,700検体(32.4%)]、検体の陽性率は1月13日~2月10日にてピークであった(26.1~26.9%)。WHO共同研究室では98,466検体が検査され、うち53,790検体(54.6%)が陽性であった[A型:38,303検体(71.2%)、B型:15,487検体(28.8%)]。A型37,681検体のサブタイプ分析では、A(H3N2)が31,977検体(84.9%)、A(H1N1)pdm09が5,704検体(15.1%)であり、B型は11,950検体のうち10,612検体(88.8%)がB/Yamagata系、1,338検体(11.2%)がB/Victoria系であった。検体が陽性であった症例のうち、47,131例(87.6%)の年齢は、0~4歳が3,802例(8.1%)、5~24歳が11,550例(24.5%)、25~64歳が15,597例(33.1%)、65歳以上が16,172例(34.3%)であり、いずれの年齢層もA(H3N2)優勢であり(51.2~70.0%)、B型は5~24歳にてもっとも多かった(36.5%)。抗原性の分析ではA(H1N1)pdm09は、736検体中735検体(99.9%)がA/Michigan/45/2015、A(H3N2)は655検体中612検体(93.4%)がA/Hong Kong/4801/2014、B/Yamagata系は824検体すべてがB/Phuket/3073/2013に類似したが(いずれも2017-18年ワクチン成分)、B/Victoria系は270検体中、2017-18年ワクチン成分B/Brisbane/60/2008と類似した検体は53検体(19.6%)であり、217検体はB/Colorado/06/2017(2018-19年ワクチン成分推奨株)に対するフェレット抗血清を高度に阻害した。感受性検査ではA(H1N1)pdm09は1,147検体中11検体(1.0%)がオセルタミビル、ペラミビル耐性を示し、A(H3N2)は2,354検体すべてがオセルタミビル、ザナミビル感受性を示し、また、1,248検体にてペラミビル耐性を示す検体は認めなかった。B型1,118検体は3剤全てに感受性を示した。2018-19年シーズンのインフルエンザワクチン成分として、FDAはA/Michigan/35/2015 A(H1N1)pdm09様ウイルス、A/Singapore/NFIMH-16-0019/2016 A(H3N2)様ウイルス、B/Colorado/06/2017様ウイルスを推奨し、4価ワクチンにはB/Phuket/3073/2013様ウイルスを追加する。ILINetによる2017-18年シーズンのインフルエンザ様疾患(ILI)による外来受診者は、19週連続(第47週~第13週)にて全国基準値(2.2%)を上回り、ピークは2018年2月3日の週(第5週)7.5%であった。州別の活性分布は3週(2018年1月6日、13日、20日が週末にあたる週)連続して50地区(93%)にて広範囲の活性が報告された。FluSurv-NETデータによるインフルエンザによる累積入院患者は30,453例(10万人あたり106.6)であり、年齢別の累積入院率は0~4歳が10万人あたり74.3、5~17歳が20.2、18~49歳が32.6、50~64歳が115.7、65歳以上が460.9であった。肺炎およびインフルエンザ(P&I)関連死亡率は16週連続(2017年12月13日~4月7日、第51週~14週)にて流行閾値を超え、ピークは1月20日(第3週)の10.8%であった。また、小児の死亡は2018年6月1日までに171例報告され、A(H3N2)が36例(21%)、A(H1N1)pdm09が31例(18%)、A型(サブタイプ不明)が36例(21%)、B型が64例(37%)、AB混合型が2例(1%)、不明が2例(1%)であった。死亡例の平均年齢は7.1歳(8週齢~17歳)、97例(57%)は入院先で死亡、病歴の明らかな154例中79例(51%)に少なくとも1つ以上のインフルエンザ合併症リスクを認めた。
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