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MMWR抄訳

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2018/05/11Vol. 67 / No. 18

MMWR67(18):515-518
Enterovirus and Parechovirus Surveillance — United States, 2014–2016

エンテロウイルスおよびパレコウイルスのサーベイランス ― アメリカ、2014年~2016年

エンテロウイルス(EV)およびパレコウイルス(PeV)はピコルナウイルス科に属し、様々な臨床症状(手足口病、呼吸器疾患、心筋炎、髄膜炎、敗血症など)を来し、死亡する場合もある。ヒトに感染するEV属は4種類(A~D、PeV属は1種類であり(A)、National Enterovirus Surveillance Systemには2014年~2016年にて2,967名の感染例が報告されている。性別は2,370例にて明らかであり、1,422例(60.0%)が男性であった。年齢は1,351例にて明らかであり、年齢中央値は4歳(四分位範囲:1~10)であった。また、在住州は2,727例にて明らかであり、カリフォルニア州がもっとも多く(413例、15.1%)、次いでニューヨーク州(366例、13.4%)に多かった。年別では2014年:2,051、2015年:370、2016年:337と2014年が74%を占めた。ウイルス型は2,758例(93.0%)にて明らかであり、もっとも多く認められたウイルス型はEV-D68であり(3年間にて1,542例、全体の55.9%)、大規模なEV-D68によるアウトブレイクが発生した2014年は1,395例(68.0%)、2015年:9例(2.4%)、2016年:138例(40.9%)であった。EV-D68に続き、エコーウイルス30(159、EV-D68以外のウイルス型の13.1%)、コクサッキーウイルス(CV)-A6(152、同12.5%)、エコーウイルス18(116、同4.2%)、CV-B3(109、同9.0%)の順であった。ウイルスの検査は47研究室にて計62,210検体が検査され、0.6%(n=347)はuntyped ED陽性であり、また、RT-PCR法による検査は72研究室にて70,915検体行われ、5,555(7.8%)が陽性であった。ウイルス陽性検体数は夏または初秋をピークとし、その後減少した。症例数や参加する研究室の増加およびタイムリーな報告によるサーベイランスの強化は、アウトブレイクの発見や新しい検査法および介入法の開発により疾患予防戦略を改善しうると思われる。

References

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  • Abedi GR, Watson JT, Pham H, Nix WA, Oberste MS, Gerber SI. Enterovirus and human parechovirus surveillance—United States, 2009–2013. MMWR Morb Mortal Wkly Rep 2015;64:940–3. <https://doi.org/10.15585/mmwr.mm6434a3>
  • CDC. Notes from the field: severe hand, foot, and mouth disease associated with coxsackievirus A6—Alabama, Connecticut, California, and Nevada, November 2011–February 2012. MMWR Morb Mortal Wkly Rep 2012;61:213–4.
  • Khetsuriani N, Lamonte-Fowlkes A, Oberste S, Pallansch MA. Enterovirus surveillance—United States, 1970–2005. MMWR Surveill Summ 2006;55(No. SS-08).
  • Midgley CM, Jackson MA, Selvarangan R, et al. Severe parechovirus 3 infections in young infants—Kansas and Missouri, 2014. J Pediatric Infect Dis Soc; 2017. Epub March 29, 2017. <https://academic.oup.com/jpids/advance-article/doi/10.1093/jpids/pix010/3093207>

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