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MMWR抄訳

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2018/03/09Vol. 67 / No. 9

MMWR67(9):270-273
Dental Personnel Treated for Idiopathic Pulmonary Fibrosis at a Tertiary Care Center — Virginia, 2000–2015

三次医療センターで特発性肺線維症の治療を受けた歯科従事者 ― バージニア州、2000年~2015年

2016年4月に特発性肺線維症(IPF)と診断され、バージニア州の三次医療センターの専門クリニックで治療を受けているバージニア州の歯科医師は、同じ専門クリニックで治療を受けている複数のバージニア州の歯科医師にIPFの診断が下されているという懸念を報告するために、CDCに接触した。IPFは原因不明の慢性進行性肺疾患であり、予後不良と関連している。IPFは特定の職業に関連しているが、歯科医師のIPFに関する公表されたデータは存在しない。このため、1996年9月から2017年6月までの間、バージニア州の三次医療センターでIPF治療を受けたすべての患者、894例の医療記録のレビューを実施し、患者に歯科医師、歯科衛生士、歯科技工士がいたかを同定した。894例のうち、歯科従事者は9例(1%)で、歯科医師8例、歯科技工士1例であった。全例が男性で、2000年~2015年に治療されていた。受診時の年齢中央値は64歳(49~81歳)、居住している州はバージニア州(5例)、メリーランド州(3例)、ジョージア州(1例)であった。9例中7例が死亡し、受診からの生存期間の中央値は3年(1~7年)であった。肺疾患の受診時の試験データがある8例では、3例の肺活量は正常で、2例の肺容量は正常であった。5例では、拘束性換気障害があった。1例では診断後3年に肺移植を施行したが、利用できる組織検体はなかった。3例が元喫煙者であり、1人は非喫煙者で、5人の喫煙歴は不明であった。 CDCに接触した患者と、電話によるインタビューが行われた。患者に喫煙歴はなく、 40年間の歯科診療中に、国立労働安全衛生研究所により保証されている保護マスクは装着せず、歯科診療の後半の20年間にわたり外科用マスクを着用した。 患者は、歯科矯正装置の研磨、アマルガムと印象の準備、フィルム現像溶液を用いたX線写真の現像を実施した。 これらの作業中に使用された物質には、シリカ、ポリビニルシロキサン、アルギン酸塩、および既知または潜在的な呼吸器毒性を有する他の化合物が含まれていた。また、患者は職業に関連した曝露として、歯学部の入学前の3カ月間に街路清掃人として働いている間の粉塵への曝露、環境曝露として、開業歯科医として約15年間にわたりカリブ海地域を断続的に訪れている間のサンゴのビーチからの粉塵への曝露を報告した。他の生存患者とのインタビューを完遂することはできなかった。歯科関連のクラスターの明確な病因は存在しないが、職業曝露が寄与している可能性がある。このIPF症例集団は、潜在的に有害な曝露の予防のための適切な戦略を開発できるように、歯科従事者の独特の職業上の曝露およびこれらの曝露とIPF発症リスクとの関連をさらに理解する必要性を強調している。

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