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MMWR抄訳

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2018/02/09Vol. 67 / No. 5

MMWR67(5):161-165
Potential Confounding of Diagnosis of Rabies in Patients with Recent Receipt of Intravenous Immune Globulin

狂犬病と診断された患者における間近に投与された静注免疫グロブリンの交差の可能性

狂犬病はほぼ致命的な急性脳炎で、リッサウイルス属のウイルス感染によって引き起こされる[最も多いのはRabies lyssavirus(狂犬病ウイルス)]。Council of State and Territorial Epidemiologists(CSTE)は、ヒトの狂犬病に関する5つの臨床検査の診断基準のうち、一つ以上と合致するものをヒトの狂犬病確診例と定義している。これらの診断基準のうち4つは患者のワクチン接種状態に依存しないが、残りの診断基準は、ワクチン未接種の患者において、血清中のリッサウイルス特異的抗体 (すなわち、間接的蛍光抗体試験、または血清希釈率1:5での完全「狂犬病ウイルス」中和抗体)の同定のみで判断される。リッサウイルス特異的抗体には、狂犬病ウイルス特異的結合免疫グロブリンG、免疫グロブリンM抗体、狂犬病ウイルス中和抗体(RLNA)が含まれる。今回、狂犬病ワクチン未接種で狂犬病に適合する疾患を呈したため、CDCにより狂犬病の試験を実施し、CSTEのヒト狂犬病診断基準(血清中にRLNA検出)に合致した6例を報告する。さらに、ワクチン未接種にもかかわらず、血清中に不完全なRLNAを認めた4例についても報告する。症例1は28歳、男性。狂犬病ワクチン接種歴、最近の哺乳動物への接触はなかった。発熱、体の痛み、頭痛、頸部硬直を発症し、発症後6日目(day6)に入院し、その後すぐに痙攣発作が起きた。当初、患者は経験的に抗生物質を投与され、day21と22に静注免疫グロブリン(IVIG)を投与された。狂犬病を疑い検査を実施したところ、day22に採取した血清中にRLNAを検出した以外(day9の採取では陰性)、狂犬病ウイルス感染の所見はなかった。患者はヒトの狂犬病確診例(狂犬病に適合した疾患を有し、狂犬病予防接種を受けておらず、血清RLNAを保持)に関するCSTE基準を満たしたが、患者の血清RLNAはIVIG投与による狂犬病への受動免疫に起因すると考えられた。したがって、狂犬病は除外され、自己免疫性脳炎の診断を受け、疾患は治療後に改善した。症例2は13歳、男児。狂犬病ワクチンの接種歴、最近の哺乳類の接触はなかった。3日間の頭痛の後、新規に痙攣発作を発症し入院した(day1)。当初、患者は経験的に抗生物質を投与され、day2と3にIVIGを投与された。狂犬病の試験では、day9に採取した血清中に不完全なRLNAを検出したが、day15では検出せず、CSTE基準を満たさなかった。患者の血清RLNAはIVIG投与による狂犬病への受動免疫に起因すると考えられた。患者はその後の検査により、東部ウマ脳炎ウイルス感染症と診断され、予後不良で死亡した。他の8例においても、狂犬病ワクチン未接種で狂犬病に合致する症状を発症したが、RLNAが検出されたのはIVIG投与後のみであり、全員、狂犬病と診断はされなかった。以上、狂犬病予防接種を受けていないが、最近IVIGを受けた患者では、血清RLNA検査の結果を注意深く解釈されるべきである。

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