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MMWR抄訳

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2018/01/12Vol. 67 / No. 1

MMWR67(1):13-17

ウエストナイルウイルスと他の国の届出対象であるアルボウイルス性疾患 ― アメリカ、2016年

節足動物媒介性ウイルス(アルボウイルス)は、主に感染した蚊およびダニの咬傷を介してヒトへ伝播し、ウエストナイルウイルス(WNV)は、アメリカ本土において後天的なアルボウイルス疾患の主な原因である。また、ラクロスウイルス、ポワッサンウイルス、ジェームズタウンキャニオンウイルス、セントルイス脳炎ウイルス、東部ウマ脳炎ウイルスをはじめとする他のアルボウイルスは、散発性症例および不定期のアウトブレイクの原因となる。今回、2016年にCDCへ報告された国の届け出対象のアルボウイルス性疾患の監視データをまとめる。通常、旅行を介して感染し、主に非国内ウイルスのデング熱、チクングンヤ熱、ジカウイルスの各ウイルスは除外した。2016年では、国内のアルボウイルス性疾患2,240例がCDCへ報告され、2150例(96%)でWNVが原因であった。アメリカの3,142の郡のうち、656(21%)で1例以上のアルボウイルス性疾患が報告されたのに対し、アラスカ州、ハワイ州、デラウェア州からの報告はなかった。全体で、WNV疾患は45州の604の郡とワシントンD.C.から報告され、1,781例(83%)は7~9月に発症した。患者の年齢の中央値は57歳で、男性は62%であった。WNV疾患で入院したのは1,465例(68%)で、106例(5%)は死亡した。WNV疾患のうち1,310例(61%)は神経侵襲性で、内訳は脳炎:689例(53%)、髄膜炎:468例(36%)、急性弛緩性麻痺:78例(6%)、その他の神経症状:75例(1%)であった。神経侵襲性疾患の患者のうち、1,250例(95%)が入院し、105例(8%)が死亡した。WNV神経侵襲性疾患の人口10万人あたりのアメリカ国内の発生率は0.41例で、サウスダコタ州、ノースダコタ州、ネブラスカ州、ワイオミング州、コロラド州で発生率が高く、カリフォルニア州(335例)、テキサス州(252例)、イリノイ州(98例)からの報告が半数以上を占めた。また、WNV神経侵襲性疾患の人口10万人あたりの発生率は、加齢に従って上昇し(10歳未満:0.02例、70歳以上:1.16例)、男性(0.54例)で女性(0.28例)よりも上昇した。その他のアルボウイルス性疾患では、ラクロスウイルス疾患(35例)は6州から報告され、患者の年齢の中央値は9歳、男性は71%、神経侵襲性疾患は31例(89%)で、32例が入院し、死亡例はなかった。ポワッサンウイルス疾患(22例)は9州から報告され、患者の年齢の中央値は66歳、男性は64%、神経侵襲性疾患は21例(95%)で、20例が入院し、3例が死亡した。ジェームズタウンキャニオンウイルス疾患(15例)は3州から報告され、患者の年齢の中央値は64歳、男性は80%、神経侵襲性疾患は7例(47%)で、7例が入院し、死亡例はなかった。セントルイス脳炎ウイルス疾患(8例)は4州から報告され、患者の年齢の中央値は64歳、男性は63%、神経侵襲性疾患は7例(88%)で、全例が入院し、2例が死亡した。東部ウマ脳炎ウイルス疾患(7例)は5州から報告され、患者の年齢の中央値は63歳、男性は86%で、全例が神経侵襲性疾患のため入院し、3例が死亡した。アルボウイルス性疾患は依然として重症疾患の原因であるので、サーベイランスの維持は、直接的な予防活動のために重要である。

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