ホームIMICライブラリMMWR抄訳2017年(Vol.66)1945~1965年生まれのすべての人のC型肝炎ウ・・・
2017/09/29Vol. 66 / No. 38
MMWR66(38):1023-1026
Evaluation of the Impact of Mandating Health Care Providers to Offer Hepatitis C Virus Screening to All Persons Born During 1945–1965 — New York, 2014
アメリカにおいて、C型肝炎ウイルス(HCV)感染者の約75%、HCV関連疾病による死亡者の73%が1945~1965年生まれの人であり、HCV感染がこの人口集団における肝がんおよびHCV関連肝疾患のリスクを上昇させている。アメリカでは270万人がHCVに感染していると推定されるが、その75%は感染を自覚していない。CDCは2012年以降、この年代生まれの人のHCV検査受診を推奨している。2014年1月1日、ニューヨーク州はHCV検査に係る州法として、医療機関は受診したすべての1945~1965年生まれの人にHCV抗体スクリーニング検査(HCV RNA検査を含む)を受けさせ、陽性の人には経過観察の医療機関を紹介しなければいけないとする州法を制定、発効した。ニューヨーク州保健局およびニューヨーク市は、州および市のサーベイランスデータ、臨床検査機関およびメディケイドのデータから、州法発効前後のHCV検査受診者数および新規HCV診断者の医療機関受診数について解析した。106臨床検査機関の報告から、2013年1月~2014年12月の24カ月間における同年生まれの人の月別検体数は、2013年の538,229例から2014年の813,492例へ、51.1%増加した。2013年の月別平均増加率は約404検体/月であったが、2014年には1,091検体/月となった。州メディケイド契約者のうち、同年生まれの人の1,000人あたりHCV検査率は2012年の8.4、2013年の8.8から、2014年1月の州法発効後には月平均12.8と、52%上昇した。HCVサーベイランスデータの解析から、新規HCV診断者の医療機関受診率は、2011~2013年から2014年にかけてニューヨーク州で24.1%から33.7%へ39.8%上昇、ニューヨーク市で19.5%から21.7%へ11.2%上昇した。以上の結果から、州法の発効によりHCV検査率が向上し、HCVサーベイランスおよびメディケイド請求データはHCV検査後の感染者の医療機関受診の評価に有用であることが示された。
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